【バックナンバー】あの会社が儲かる理由
その1 宴会が会社を強くする
その2 階段は1段ずつのぼる
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比較対象によって、評価は大きく異なる
ガイド:会社を経営していると比較されるだろうし、自分でもそうしてしまうのではないかと思いますけど、その点どうですか?田中氏:比較されることはけっこうありますけど、どこと比較するのかによって評価も全然違いますよね。たとえば、ソフトバンクさんとか、グリーさん、楽天さんと比較されたら、僕の会社は足元にも及ばない。でも一方で、高く評価してくれる方もいます。どっちが正しいのかは判断できないから、自分は自分でいいんじゃないの?って思います。上を見てもきりがないし、下を見てもきりがないのだから、だったら見ない方がいい。それに企業の価値は会社の大きさや時価総額じゃなくて、そこに関わる人がどれほど豊かになっているかじゃないのかなと、最近はそう思います。
みんなお金が必要だから働いている
ガイド:物事のきっかけは、例えば社会のためとか、困っている人のためとか、美しく語られることが多いですよね?でも一方で、「こいつには負けたくない」「見返してやる」というような気持ちで物事に取り組むことも実際にあります。正直いって、私もそういう気持ちで取り組むこともあるけれど、それを表に出してしまうとあまりいい顔をされない。お金のためなのか?とか言われたり。オンデーズの仲間たち。
社員と食事をしているときにリアルな声を聞くと、夢や希望も必要だけど、でもそれ以上にお金は大事なんだと感じます。たとえば、子どもが来年小学校に入学するという父親であれば、学費とか習い事の月謝、生活費とかすごくお金がかかるんだから、その彼は前提条件として一定以上のお金がなかったら精神的に豊かな生活がしていけないんですよ。これは現実的な話です。
そこでお金のために働くことを否定してしまったら、そもそもお金によって経済が回っていくこと自体を否定することになってしまいます。もちろん、稼いでいる人が勝つとか偉いとかそういう話ではなくて、事実としてお金が回らなければ経済は動かない。だったら、お金が回るようにしようという考えを共有して、お金を稼げばいいだけですよ。否定される要素はないでしょ?
ガイド:お金を稼ぐということがベースにあると?
田中氏:お金を稼ぐということがベースにあって、そのうえで、じゃ、自分たちは何を通してお金を稼いでいくの?って話になるんでしょうね。僕で言えば、メガネを通してお金を稼ぐことになります。でも、ただ単にメガネを売るのではなくて、これまで3万円、5万円のメガネを買っていた人は、それが5000円とか7000円になったら嬉しいよねという発想です。そうすれば、オンデーズがメガネを売る価値が出てくるわけで、それに加えて他にないデザインとか他で受けられないサービスを提供しようってことです。買いに来てくれている人がその瞬間だけでも嬉しいとか楽しいと思ってくれるのであれば、その対価としてお金をいただく。そういう仕組みなのだと思います。