住宅設計・間取り/住宅設計・間取りのポイント

たたむ間取りとつるす間取り(2ページ目)

戦後、日本の家づくりは「たたむ文化」から「つるす文化」に変化したといえます。実はそのつるす文化がモノの氾濫を起こし、空間を殺していることもあります。間取りを考える際、もう少したたむという発想を取り入れてみるのはいかがでしょうか?

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

収納におけるたたむとつるす 

人間はモノの執着からなかなか離れることができません。自分の生活スタイルを確立するには、モノを捨てることです。収納スペースは一般的に、床面積の10~12%を目安にするといわれています。このスペースはほとんどがつるすスペースです。それではいくらスペースがあっても足りません。たたむスペースも3~4%は確保したいところです。


収納量の黄金比率は? 

収納はすべて見せずにシンプルにすっきり済ませたいという人が多くいます。もちろんそれも良いと思いますが、多少見せる収納をつくることで自分の個性を演出することもできるのです。室面積に対する収納量の黄金比率は、次のようになります。

・見えない収納-室面積の7割-
タンス、クローゼット、冷蔵庫など、中の見えない収納を7割。
残りの3割は収納内の通り道のスペースと考えるとよいでしょう。

・見える収納-室面積の5割-
棚やガラス棚などの食器棚です。
5割以上の量にすることで、すっきりと美しく見えます。

・見せる収納-室面積の1割-
装飾としての飾りものです。
周りに空間ができることで、豊かなスペースになります。


今の自分をつくる 

家をつくることは快適な場所と空間を得るためです。しかし意外にも住み続けていくうちにモノとの戦いになってはいないでしょうか。時々モノは捨てていても「今の自分」は捨てていないからです。つまり今の自分をはっきりさせないからモノがたまっていくのです。

たたむ間取りとつるす間取りにはそんなメッセージも含めています。
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