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電気vsガス 家づくりでどちらを選択する?

住宅を検討する際に、大きな選択となるのがオール電化にするのか、ガス(+電気)とするのか。ここでは、それぞれのメリットはもちろん、「火」を使う(管理する)ことの重要性にまで踏み込んだ話題を紹介したいと思います。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

住宅業界では色々なところで熾烈な競争が行われています。ハウスメーカー間はもちろんですが、中でも興味深いのが「電気」と「ガス」の争い。果たしてどっちがいいのか、ということは、読者の皆さんにとっても興味があることだと思います。

激しい競争繰り広げる電力会社とガス会社

電気とガスの競争の激しさは、ハウスメーカーや業界のイベントに行けばわかります。例えば関東でしたら、東京電力東京ガスがイベント会場に大きなブースを設けてピーアールに火花を散らしています。住宅設備や資材関連のメーカーのブースもあるのですが、規模や華やかさの点でこの2つは圧倒的です。

IHクッキングヒーター

IHクッキングヒーター。火を使わないため、火災の心配が少ないのが魅力。また、清掃がしやすいのも人気だ

で、最初に私の考えを申し上げておくと、どちらにメリットがあるのかというのは、人それぞれだと思っています。経済性が一つの基準となりますが、家族構成や使用の仕方によって世帯ごとに享受できるメリットが異なるからです。

ただ、現状では電気側にやや有利に状況が進んでいるようです。考えてみれば、給湯や調理は一昔前までガスの独壇場だったのです。それを電気が担うようになったわけで、特にガス側の焦燥は察して余るものがあります。昔にはなかったオール電化の住宅やマンションが、一般的になったわけですから。

ではなぜ今、電気なのでしょうか。ハウスメーカーの関係者に聞いてみると、真っ先に「安全性」と答えてくれました。まずIHクッキングヒーター。火を使わないことから、火事の心配が少ないことがあります。

オール電化住宅は防災の面で有利!?

特に、これからの高齢化社会において、お年寄りができるだけ安全に生活できるようにすることが求められています。火を使わずにすむIHクッキングヒーターはその点で最適であると考えられているようです。

太陽光発電システム

太陽光発電のパネル。オール電化と蓄電池を組み合わせることで、大地震などの災害時にエネルギーを確保しやすい「防災住宅」とすることができる

ハウスメーカーでは近年、オール電化住宅の供給を積極化しています。その理由の一つに災害への対応があるといいます。災害、中でも大地震が発生した時、電気とガスのどちらが早く復旧するかということ。それの軍配は電気にあがります。

これは阪神淡路大震災の時の経験によるもので、復旧には電気が週単位だったのに対して、ガスは月単位だったのです。災害時に建物が無事であっても、エネルギーが供給されなければ生活は不便なままですからね。

できるだけ早く復旧する方が良いに決まっているわけで、そうした点で電気が有利というわけです。ハウスメーカーの中では、オール電化+太陽光発電システム+蓄電池を組み合わせた建物を「防災住宅」として提案しているケースもあるほどです。

このほか、近年普及が進んできた太陽光発電システムとの相性や、IHクッキングヒーターの清掃のしやすさなども、電気に人気が集まっている理由のようです。と、ここまでは電気が有利な感じ。では、次のページでガス側の方を見てみましょう。
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