ガスの魅力は、火を使うことにほかなりません。それは、大人の世代にとっては身近で当たり前のこと。「火を使わない料理なんて料理じゃない」なんていう人も多いはずです。特に、料理にこだわりを持つ人にガスは根強い人気がありますね。

料理にこだわる層にはガスが根強い人気

最新のガス調理器具

最新のガス調理器具の事例。五徳を取り外せば、あとは拭くだけで清掃もしやすく工夫されている。このほかの機能性もIH並みだ

私の友人に中華料理のコックさんがいますが、彼なんかはまさにガス派。「中華料理は火力が命」と言われますが、強力な火力で本格的な料理を、という方であればガス側に軍配を上げるでしょう。

実は、福岡にある私の実家には、数年前からIHクッキングヒーターを導入していますが、最近になって母がこんなことを言い始めました。「おもちや芋を焼けないのがなんだか寂しい…」。多分、IHクッキングヒーターにもそんな機能はあるのでしょうが、機能が複雑すぎて使いこなせない。そんなことがあり、昔のガス調理器具の有り難みを思い起こすそうです。

ちょっとガスの現状をご紹介しておきましょう。調理器具としてガス調理器具も随分と進化しました。プレートの清掃もしやすくなり、最近の製品では自動消火装置を全てのコンロに搭載し、安全性も飛躍的に向上しました。機能性はほぼIHクッキングヒーターのレベルになりましたね。

改めて考えたい! 火を使う、管理することの重要性

ところで、ここで考えたいのが、火を使わないことの弊害。電化の理由に安全性や利便性があることをご紹介しましたが、それで良いのでしょうかということです。これは、今の子どもたちや今後の社会のあり方にもつながる話です。

火事の現場

筆者の近所で発生した火事の様子。火の使い方や管理の仕方、危機管理の重要性などを強く感じた出来事だった

私たち大人は、これまで家庭で火を使うことで、火の管理の仕方はもちろん、やけどのつらさ、引いては火事を起こさないようにする危機管理意識を育んできました。実はこれってあまり言われませんが、大切なことだと思うのです。

江戸時代には、火事の火元を作った人は死罪とされました。木造家屋ばかりでしたから、出火すると大火事の発生につながりやすかったからです。それぐらい火の管理が重要で責任の重いことだったというわけですね。

おそらく、今の日本は有史以来、最も人が火を使わない社会になっているのだと思います。その中で、火の使い方を教育されていない世代、火の管理を軽んじる世代が出てくるのではないかと、少々心配しています。

皆さんは、火を使わない生活についてどのように考えられますか。住宅づくりというのは、暮らし方の文化について考えることも含まれます。電気vsガス。どちらを採用するか検討するにあたって、こんな視点で考えてみるのもいいかもしれません。
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