美術館/美術館レビュー

自然も観賞 庭園の美しい美術館(5ページ目)

美術館で観賞できるのはアートだけではありません。梅や桜、四季折々の自然と親しめる庭園を持つ美術館も全国にはたくさん。日本庭園も、西洋庭園もありますよ。そのなかでもオススメ美術館をご紹介します!

浦島 茂世

執筆者:浦島 茂世

美術館ガイド

足立美術館(島根県)
~世界中から注目される日本庭園

実業家、足立全康のコレクションをもとに1970年に創設された美術館。枯山水庭、苔庭、池庭、白砂青松庭など、氏が作り上げた5万坪におよぶ6つの庭園は訪れる人の心を静かに癒します。
枯山水庭

春の枯山水庭 

美しい日本庭園は、日本のみならず世界中から注目されています。アメリカの専門誌で8年連続で「庭園日本一」に選ばれ、フランスのミシュランのグリーン・ガイドで堂々の三ツ星を獲得(ミシュランのガイドブックは、日本でも有名な表紙が赤いレストランガイド、表紙が緑色やオレンジ色の観光地ガイドなど、ジャンルごとにわかれています)。外国からもはるばる訪ねてくる方も多いそう。
白砂青松庭

白砂青松庭 横山大観の名画『白沙青松』をイメージして造られた

それぞれに趣向を凝らした6つの庭園。一つ一つの庭園が素晴らしく、その美しさにおもわず時間を忘れてしまいそうになります。時間配分のご計画をお忘れなく。

そして、数多くの名品が展示されている本館、新館、陶芸館も必見。
横山大観特別展示室

横山大観特別展示室

本館では、創設者の足立全康が蒐集した近代日本画コレクションが一堂に展示されています。なかでも、横山大観の作品は120点を数え、質量ともに日本一を誇っています。毎年秋には、全康氏が展覧会で見て一目惚れし、何年もかけてようやく収蔵したという六曲一双の大作『紅葉』(昭和6年)が秋季限定で公開されるそう(次回は2011年9月1日~11月30日 予定)。
竹内栖鳳「雨霽」undefined左隻

竹内栖鳳「雨霽」 左隻 2011年に80年ぶりに公開される。

そのほかにも、竹内栖鳳、上村松園、川合玉堂などが描く近代日本画の名
作、陶芸館では河井寛次郎、北大路魯山人の陶芸作品をたっぷりと鑑賞できます。
館内からの眺めも美しい

館内からの眺めも美しい

2010年10月にオープンした新館へは本館から地下通路で移動ができます。2階の展示室では歴代の足立美術館賞受賞作や院展同人の代表作など、およそ120点の「現代日本画」が展示され、近代から現代にわたる日本画の流れを一望にすることができます。
足立美術館 新館

現代の日本画コレクションも秀逸 足立美術館 新館

近代日本画をコレクションしている美術館は多いですが、現代の日本画も合わせて力を入れて収集している美術館は非常に貴重です。

本館内に付属するカフェや茶室からも美しい庭園が楽しめます。名園につつまれ、名画に染まる至福のひとときをゆったりと楽しんでください。

<DATA>
住所:島根県安来市古川町320
TEL:0854-28-7111
開館時間:9:00~17:30(10月~3月は17:00閉館)
休館日:本館 無休 新館 展示替期間
入場料:一般 2200円、大学生 1700円、高校生 900円、小中学生 400円
公式サイト

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