スモールハウスの代表で、この家の建て主であるSさんは、2009年の2月に理想の狭小敷地に出会いました。私鉄の最寄り駅から徒歩8分で、街道から路地を入った先の、向かいが竹林と畑という好立地。土地は約17坪なのですが、間口が約3mに対して奥行きは18mもあります。さらに建ぺい率は40%。つまり建てられる面積は6坪という厳しさ! 以前ここは建築資材置き場だったところで、募集をかけた不動産屋も、まさかここに家が建つとは思っていなかったそうです。「潜在的にウナギの寝床の土地に憧れがあった」というSさんは、早速この土地を手に入れ、14年来の付き合いのある設計工房の久保宗一さんに設計を依頼しました。

廊下のような究極の間口


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外観
1. 2軒の家に挟まれるように建つ。
2. 北側の正面。屋根の高さは6.3m。
3. 東側の外観。奥行は14m。屋根が下がっているところが中庭。
4. 西側の外観。 2階に2つ窓が見える。


この究極とも言える厳しい条件に久保さんの出した答えは、道路から軽自動車1台分セットバックさせたところに、間口1.8m、奥行き14mの中庭付きの2階家を木造で建てるというものでした。外壁は黒いガルバリウム鋼板で仕上げられ、窓は東西の壁面に合計5しかありません。さぞや室内は洞窟のように暗いのではという私の心配は、玄関ドアを開けるなり払拭されました。

◆建築家プロフィールと建築データ