未来版女体盛り「寿司ボーグ☆ユカリ」
ガイド:東京都現代美術館「トランスフォーメーション展」で2011年1月30日まで展示されていた3作品、「カラスボット☆ジェニー」「生理マシーン、タカシの場合」「寿司ボーグ☆ユカリ」についてお伺いします。この3作品、どれもフェティッシュな美しさに満ち溢れていますね。テクノなPierre et Gillesのような。反響はどうですか?
スプ子:
卒業してすぐ美術館で展示させて頂いたのはとてもラッキーでした。ロンドン拠点だったのでもちろん欧州で作品の反響があったのですが、日本では美術誌はもちろん、音楽誌、ファッション誌、スポーツ紙、全国紙、テレビ、渋谷街頭ビジョンまで一気に取り上げられて予想以上の反響でした。今年7月にニューヨーク近代美術館(MoMA)でも展示するので、それに向けて準備中です。
ガイド:
MoMAですか!凄い。
「寿司ボーグ」というアイデア凄いです! 確かに回転寿司は今や日本以外にもありますが(ロンドンにもありましたよね)、これは何かにインスピレーションされたとか?
スプ子:
「Body as Shop - 店舗としての身体」について考えていて、まず思い浮かんだのが海外で悪名高き幻のジャパニーズカルチャー「女体盛り」。その未来版として女体回転寿司サイボーグが頭に浮かびました。それで作ってみたら、動いた。詳しい背景はサイトで解説しているので、どうぞ!
ガイド:
短編映画では、ユカリが殺人鬼と化し、サラリーマンを血みどろに……確かに寿司ボークは一度試してみたいですが、これを見ると……サラリーマンの股間にはいなり寿司のようなものが(笑)。
スプ子:
よく気づかれましたね! あの映画は色々なパロディー要素をこっそり入れていて自分では結構ギャグ映画かな、と思っていたんですが人に「ホラー」と言われ初めて「そうなのか!」と気づきました。隠しネタをもう1つバラすと、倒れたサラリーマンの一人に全身真っ黒の宇宙人がまざってるんです。未来だから。
ガイド:
「寿司ボーグ」だけではなく、「チンボーグ」も製作したんですよね。スプ子さんのサイボーグに対する熱い想いを感じます。今後も○○ボーグを作る予定はあるのでしょうか?
スプ子:
あるけど、詳しいことはひみつ(笑)。ただ、色々な動物とコミュニケーションしていきたいとは思っていますね。