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相互厭人的読書生活4(2ページ目)

ガイドの読書記録です。今回は2011年1月21日~25日まで読んだ本をとりあげます。青木淳悟「私のいない高校」、ペレーヴィン『チャパーエフと空虚』、今西乃子『犬たちをおくる日』など。

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

話題の本ガイド


ペレーヴィンを読む

チャパーエフと空虚

映画化も決まっているそうです。群像社刊。

ストレンジといえば、“ロシアの村上春樹”こと、ヴィクトル・ペレーヴィンの作品を読み進めている。『チャパーエフと空虚』を読了。

チャパーエフはソ連国内戦時代に活躍した、実在する英雄の名前だ。主人公の名前が空虚。

〈装甲車――卒倒した〉いう韻を踏んだ詩を書いたせいで秘密警察に追われている「僕」は、おさななじみのグリーシャに再会する。「僕」が自分に起こったことを話すと、かつてデカダンな詩を書いていたグリーシャは銃を取り出す。そこから、「僕」の奇妙な冒険がはじまる。

ヘンテコな挿話、登場人物の禅問答のようなやりとりに導かれて、たどりつく世界は、陰鬱なのに自由。

「僕」がアンナという女性にふられるエピソードは笑った。キーワードは玉葱。

村上春樹でいうと『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』が好きな人は、楽しめるのではないか。わたしは好きです。
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