ペレーヴィンを読む
映画化も決まっているそうです。群像社刊。
チャパーエフはソ連国内戦時代に活躍した、実在する英雄の名前だ。主人公の名前が空虚。
〈装甲車――卒倒した〉いう韻を踏んだ詩を書いたせいで秘密警察に追われている「僕」は、おさななじみのグリーシャに再会する。「僕」が自分に起こったことを話すと、かつてデカダンな詩を書いていたグリーシャは銃を取り出す。そこから、「僕」の奇妙な冒険がはじまる。
ヘンテコな挿話、登場人物の禅問答のようなやりとりに導かれて、たどりつく世界は、陰鬱なのに自由。
「僕」がアンナという女性にふられるエピソードは笑った。キーワードは玉葱。
村上春樹でいうと『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』が好きな人は、楽しめるのではないか。わたしは好きです。