日本全国に衝撃が
お笑いの好きな人で、横澤彪の名前を知らない人は、「マンザイブーム」を体験していない層を含めても、おそらく日本文化圏にはいないんじゃないでしょうか。それだけに、突然の訃報は多くの人々にショックを与えました。もちろん、当ガイドも衝撃を受けた者の1人です。過去に一度インタビューさせていただいたことがあるだけに、まだまだバラエティの世界に必要な重鎮だと信じていました。
「日本のお笑いを変えた」人物として、すでに多くの追悼記事、ブログがアップされていますが、なるべくそれらと被らないように気をつけつつ、故人の業績をしのびたいと思います。
「バラエティーの革命」とは何だったのか?
では具体的に「日本の笑いを変えた」とは、どのようなことを指すのでしょうか? それを考えるには、ブーム直前の70年代後半のお笑い事情を知る必要があるでしょう。60年代から続いてきたバラエティの黄金期も、70年代に入ってジリ貧の様相を見せ始めました。それに代わって人気を得ていたのは、笑いを生み出すよりも、楽しい雰囲気をお茶の間に伝えようとするバラエティーでした。
そんな状況下ながら、というか、だからこそ、関東でも関西でも新しい笑いを生み出そうとする機運が高まっており、それを巧みにくみ取ったのが、当時フジテレビプロデューサーだった横澤彪でした。と、一口で言っても、ゼロの段階からブームにまで盛り立てるのは並大抵ではなかったようです。