年金

年金と税金~確定申告に備える(3ページ目)

新年を迎えると近づいてくるのが確定申告です。会社員時代は年末調整で精算していた所得税の納付ですが、年金を受給するようになると確定申告による精算が必要になります。年金と確定申告の関係をご案内します。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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年金を受給している場合の確定申告

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企業年金や個人年金を受給している場合は?

リタイア後、企業年金を受給している人や国民年金基金から老齢年金を受給している人は確定申告が必要です。企業年金の事務局や国民年金基金から源泉徴収票が送付されるので、確定申告時まで保管しておきましょう。なお、企業年金や国民年金基金の老齢給付金に対する所得税の計算方法は、公的年金と同様に年金収入から公的年金等控除を差し引くことができます。
公的年金等控除速算表

 

民間の個人年金保険から年金を受給している場合は、年金収入から必要経費を差し引いて課税対象となる金額の計算が必要になります。公的年金や企業年金、国民年金基金から支給される老齢年金は、必要経費にあたる金額として公的年金等控除額が差し引かれます。

民間の個人年金保険には公的年金等控除が適用されないので、契約している個人年金のタイプにより、次のような方法で必要経費を計算します。
個人年金必要経費

 

受給した年金額が必要経費を上回る場合は、確定申告が必要になります。

なお、今年7月、生命保険の死亡保険金を年金払いで受給する保険商品に対する税金が二重課税にあたるという判決が最高裁判所からでました。このタイプの保険商品は、被保険者の死亡時に年金払いされる死亡保険の元本に相続税が課税され、その後遺族が受給する年金に所得税が課税されていました。この所得税が二重課税にあたるとされ、今年10月から二重課税に該当する契約者には各保険会社から還付手続きに関する情報が送付されています。今回、還付対象となる所得税は時効が成立していない2005年から2009年までの5年分ですが、今後法改正でさらにさかのぼった期間の所得税も還付される予定です。この還付請求の手続きは確定申告と合わせて行うこともできるので、該当する人は手続を行いましょう。
 

確定申告はどこでする?

確定申告に使用する用紙には「確定申告書A」と「確定申告書B」の2種類があります。
確定申告書A

(国税庁HPより)

 

確定申告書B

(国税庁HPより) 


 

年金以外の収入が事業収入や不動産収入の人は「確定申告書B」を使用しますが、それ以外の人は「確定申告書A」を使って確定申告を行います。申告書は最寄りの税務署や申告受付期間中は市区町村役場の窓口で入手できますし、国税庁のHPからダウンロードすることもできます。

確定申告の手続きは最寄りの税務署で行うことができますが、国税庁のHPから申告書を作成することもできます。国税庁のHPから作成した確定申告書は郵送でも受付してくれます。また、確定申告の受付期間中は税務署や駅などにパソコンを使った確定申告書の作成コーナーが設けられたり、税務署に税理士などの専門家が相談コーナーを設けて申告書作成のアドバイスを無料で行っているところもあります。「確定申告なんて面倒くさそう…」と思うかもしれませんが、確定申告の情報は所得税だけでなく、住民税や国民健康保険料、介護保険料などの算出にも影響する情報です。期限内に必ず手続を行いましょう。

※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。

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