信頼関係構築力で難関を突破 証券会社の女性営業職
失敗体験が信頼関係構築力のアピールになる場合も
Sさんは文学部出身、新卒で証券会社に入社した女性営業職。入社以来、富裕層の個人顧客を対象に飛び込み営業や電話営業による新規顧客開拓を中心に活動してきました。3年目を迎えた25歳のときに合格率5%程度の難関を突破してMRへの転職を果しました。
訪問件数や電話件数など、自分で決めた目標は必ず実行するという自己管理能力や目標遂行力の高さに加え、物怖じせずに積極的に新規開拓に取り組み続ける精神的なタフネスなどによって、数百人にのぼる同期入社の中でもトップ10に入る実績をあげていました。
ただ、高い実績や自己管理能力以上にSさんが面接の中で評価されたのは、失敗にもめげず従来以上に顧客から信頼されるようになったという体験談。
Sさんが扱っていた金融商品は、刻一刻と変化する相場の中でタイムリーで正確な情報提供が顧客の利益や損失に大きく影響します。そのため日頃から情報提供には気をつけていました。新規開拓に成功して顧客が増えるなかで、ある顧客への重要な連絡が遅れてしまい「2度と来るな」といわれてしまったそうです。ところがSさんは会ってもらえなくても有益な情報を提供し続け、ついには信頼を回復して以前よりも多額の資金を投入してもらえるようになったのです。
医薬品には副作用がつきもの。しかも副作用は患者さんの症状や遺伝子レベルの差異によって個人単位で異なります。ドクターは常にそうしたリスクと隣り合わせで患者さんの治療を行っており、信頼できるMRを強く求めています。MRを目指すみなさんは、こうした点を十分理解した上で、面接に向けて信頼関係構築力を十分に伝えられる準備をしておくことが重要です。
顧客ニーズ把握力と提案力が強み 住宅メーカー営業職
競争の激しい医療用医薬品の業界。そのなかで新たに自社の医薬品をドクターに使ってもらうためには、競合先のMRが気づいていないドクターのニーズを把握し、そのニーズに的確に応えた情報提供や提案をしていかなければなりません。そこで、顧客ニーズの把握力と提案力はMRの選考においても重要なポイントとなります。中堅の住宅メーカーの営業職だったYさん。注文住宅の営業職として4年間勤務した後、MRに転職しました。
住宅業界では「ライフスタイルの提案」を通じて顧客ニーズを把握し、ニーズに応じた住宅を企画・提案して受注するというのが一般的な営業スタイル。しかし、顧客が望むライフスタイルやニーズといっても漠然としている場合が多く、夫婦でもそれぞれで求めるものが異なるなど、顧客ニーズの把握は容易ではありません。
そうした営業環境のなかで、Yさんは顧客のニーズを聞き出すヒアリング力と、それを具体化していく提案力を養ってきました。そして、支店内でもトップ水準の実績をあげてきたのです。
面接では、多くの実績のなかでも特にニーズの把握が難しく、競合する住宅メーカーも多かった顧客から受注できた事例を具体的に話すことで評価を得ることができました。
ドクターにとっては治療上のニーズ以外にも、医院の経営問題やスタッフの教育に悩んでいたり、あるいは勤務医から開業医への転進を考えているドクターなどそれぞれの立場や状況に応じて様々なニーズがあります。業界は異なっても、これまでに顧客のどのようなニーズをどうやって把握して営業成果につなげてきたかという点を整理し、それをドクターが抱える様々なニーズと関連付けて話すことができれば、面接での効果的なアピールになるでしょう。