売る前に買う!
120GBモデルからは、PS3が薄型に切り替わり、若干の仕様の変更もあった。具体的にはHDMIで接続した機器との連携を可能にするブラビアリンクの対応、ドルビーTrueHD、DTS-HD Master Audio音声のHDMI端子からのビットストリーム出力対応である。
ブラビアリンクでの連携は意外にも快適で、ワイヤレスコントローラのスイッチを入れただけでPS3、ブラビア、アンプの電源が入り、PS3の画面が表示される。
ビットストリームに関しては恩恵にあずかれる環境が狭く、もともとPS3ではドルビーTrueHD、DTS-HD Master Audio音声をPCMに変換して伝送する仕組みだったので利点は少ないかも知れない。
しかし手持ちのアンプに「最新フォーマットを再生している」という表示がされるのは少しだけ気分がいい。
その代わりと言っては何だが、20GB・60GBから失われる機能も若干、ある。
筆頭はPS2との互換だろう。初代以降は撤廃されているのでもはや馴染みの薄い機能でもあるが、PS2のタイトルは遊べない。
また従来にはあったSACDの再生機能も廃止されている。
また「他のOSのインストール」も撤廃されたので、Linuxをインストールすることも出来ない。これは従来からアップデートで廃止済みなので、普通にアップデートしているユーザーであれば問題あるまい。
大雑把にはこんな違いだろうか。
オススメはデータ転送ユーティリティー
通常であれば現在活躍中のPS3を売却し、新規のPS3の購入資金に当てたいところだろう。だが、そこを少々我慢して、まず新規のPS3を購入するのをオススメする。
PS3には現行のPS3のデータを新規のPS3に移行するための「データ転送ユーティリティー」という便利なツールが存在するからだ。
新規のPS3と現行のPS3をLANケーブルで直に接続し、現行のPS3側から操作することになる。環境にもよるとは思うが、時間にして数時間かかるため注意したい。
また、ごく一部のセーブデータはコピー不可となっており、セーブデータの移行ができないことも覚えておきたい。
環境を移行したら、ほぼ以前と変わらない使い勝手で新型PS3を扱うことが出来る。
新型のスリムさ、下がった消費電力、ブラビアリンク、音声フォーマットのビットストリームに魅力を感じるケースだけでなく、故障する前の予防の意味でも買い替えはひとつの選択肢として考えてみたい。