ドラマ/ドラマ関連情報

2010年ドラマベスト5は「普通の人が一生懸命生きる」

いよいよ押し迫ってきました。恒例企画、2010年のテレビドラマ・ベスト5です。今年のドラマを通して2010年を振り返ってみましょう。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

いよいよ押し迫ってきました。恒例企画、2010年のテレビドラマ・ベスト5です。今年のドラマを通して2010年を振り返ってみましょう。

それではまずは4位と5位です。

5位『LIAR GAME Season 2』

前作から三年弱たって映画化、その前に続編をテレビドラマで、と最初聞いた時にはいまさら感があり「そんなに映画でもうけたいのか?」といいたくなりました。しかし実際放送されたものを見るとそんなことはない。
前作のおもしろさは日常描写はほとんどなく全体をゲーム的にするというこれまでの連ドラの概念を打ち破る構成でした。その中でヒロイン神崎直(戸田恵梨香)のバカ正直さはストーリーをおもしろくするためのカセとして生かされていたと思います。

信用第一

信用第一

しかし『Season 2』では「バカ正直のナオ」がより重要になっていました。直はあい変わらず他のプレイヤー達全員が助かることを常に考えて行動し、それを秋山深一(松田翔太)が支援。裏切られてもかわらない姿勢で福永ユウジ(鈴木浩介)を始めとして他のプレイヤーの心をつかみ、次々と仲間にしていきます。

これを見て思ったのはライアーゲームは、一定のルールの中で競争するという点で市場経済の比喩になっているということです。利益を得るためにはルールを活用するだけでなく「信用」こそが重要。「リーマン・ショック」など経済の問題を鋭くついています。

映画版『ザ・ファイナルステージ』も好評だったようで、地上波放送されるのが楽しみです。

4位『セカンドバージン』

放送前はNHKがいまさら不倫ものか、という印象でした。中村るい(鈴木京香)と鈴木行(長谷川博己)は純粋に愛し合い、行の妻・万里江(深田恭子)は手段を選ばず妨害する、とストーリーだけ聞いていると古典的で韓流ドラマのような。しかし全体を見ると新しくかつ胸に何かをつきつけられたような切迫感があります。その切迫感の元はテーマである「老いることの悲しみ」でしょう。

最終的に行の死を過ぎてしまうと最終回は妙にあっけらかんと明るい雰囲気で終わってしまいます。これは死を乗り越えると思い切っていろいろなことができるということでしょうか。このあたりは二十代でガンになった脚本の大石静の経験によるといわれています。
脚本評価の高いこのドラマですがそれを支えたNHKの演出陣も忘れてはいけません。前半の黒崎博はNHK広島で『帽子』『火の魚』(後述)を、後半の柳川強はNHK名古屋で『鬼太郎が見た玉枠』『刑事の現場』を担当、たしかな演出が光りました。

今年、大人の恋愛ものでは『同窓会~ラブ・アゲイン症候群』もヒット。対して若い世代の恋愛ドラマ中心の月9枠は苦戦、『流れ星』など内容もよかったと思うのですが、世間的にはあまり盛り上がりません。ドラマを見ている中心がアラフォーだということもあるんでしょうけど。

続いて2位と3位です。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます