内外で続く高成長
株価のよく騰がったこの2年間は、概ね3ヶ月ごとに前年比5割増益を発表してきました。同社の業務は楽天トラベルなどと同じようなオンライン旅行予約で、航空券、ホテル、レンタカー、パッケージ旅行などの取り次ぎを行っています。米国のサイトでは顧客が期日間際の飛行機やホテルに関してキャンセル不可条件で格安の希望価格を入れ、成立すれば破格の値段で購入するオークション方式を取っています。2010年7-9月期で同社が取り扱った旅行代金は約40億ドルであり、そこから10億ドルが同社のマージンとして売上高に計上され、さらに経費を差し引いて3.5億ドルほどが利益として残る、というのが3ヶ月間の業績です。
現在、同社は地域やアイテムによって以下の4つの予約サイトを運営しています。
http://www.priceline.com/
http://www.booking.com/
http://www.agoda.jp/
http://www.traveljigsawgroup.com/
取扱高としては約65%が海外で展開する同社サイトから来ており、米国内は35%に留まります。そして海外は良く成長しており、毎四半期50%を大きく超える成長率で進んでいます。一方米国内の取り扱い高は20%成長程度ですが、成熟した米国市場からすればよく伸びている方だと思います。
海外は主に欧州が主力ですが、アジア、南米もあります。いずれもこれらの地域がよく成長しているのは、米国に比べてまだまだオンラインで旅行を手配する習慣が浸透していないからであります。米国に住んでみると、10年前から出張にせよ、個人旅行にせよ、予約はネットで完結するというのが誰にとっても当たり前という世界ですが、欧州や中国の大都市部では今も近くの小さな代理店に電話をする、あるいは直接出向いて手配する、と言う方が断然主力であります。その地域でドットコムバブル時代から蓄積してきたやり方で急速に成長しているのが同社であります。