団らんを演出する
多くの人が住まいを手に入れる理由は、家族が末永く幸せでありたいとの願いからです。では家族の幸せとは一体何だろうと考えると、いろいろな答えがあると思います。家族のつながりや支え合いで深い絆が確かめられる時も幸せを感じる瞬間ではないでしょうか。これらはただ単に勝手にやってくるものではありません。日常の団らんを通して培われていくのです。団らんは主にリビングやダイニングで行われます。リビングにはリビングのソファセットをおき、ダイニングにはダイニングセットを置きくつろぎます。そんな家族の団らんを演出するリビングとダイニングについてあらためて考えてみましょう。リビングとは
リビングは台所や寝室と違って明確に何かをする場所ではありません。したがってリビングは団らんという言葉におきかえられます。しかしテレビのホームドラマは別として、一般家庭では一人で新聞を読んだり、家族でテレビを観るといった具合で団らんとは程遠い感じがします。したがって団らんしやすいリビングをつくるにはそれなりの工夫が必要になります。― 7つの工夫 ―
1.冬暖かく、夏涼しいという当たり前の室内気候を考慮
2.間取りの中でリビングの位置に留意
3.リビングの広さの確保
4.居心地をよくする設備や家具
5.家族共有の情報ボードをつくる
6.効果的な壁を残すまたはつくる
7.何か求心性のあるものがあるとよい(たとえば暖炉など)
以上の7項目です。特に(7)の家族を引きよせるような求心性を持っていることとは、壁面と開口部の位置、家具の配置、照明の光と影の演出などさまざまな要素の複合によって生まれます。