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「仕事とは何か?」を小学校で教える理由(2ページ目)

「経済のプロが小学校にやってきた」シリーズでは、仕事と経済の授業をお伝えしてきた。ここで見えてきたのが「キャリア教育」の重要性だ。県単位ではどう考えているのか?これについて県の学校教育課の方に話を伺った。

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

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キャリア教育を行ううえでの課題 

これまでこういった授業があまりなされなかったことに関しては、いくつかの課題があった。まずは、講師がいなかったということ。ボランティアとして仕事や経済の話をする人材がどの程度いるのかといったら、おそらくかなり限られた数になるのではないかと思う。そのため、学校側としても授業、あるいは講演をしたくてもできないという状態であった。それに加えて、こういった講師との連携をするための方法がわからない、アレンジする人間がほとんどいないという問題もあるのだと思う。

これに関しては、自治体などがボランティアを募集することも多いし、今回のように講師サイドからのアプローチもあるだろう。したがって、どちらか、あるいは両方が動かないことには始まらないのだ。

頭の中で考えるのはできる。しかし、それを行動に移すことができるかどうかが重要なのであって、そこでストップしてしまうから「できなかったね」で終わってしまう。非常にもったいないことだと思うのだ。

今、日本が抱えている問題は多岐にわたり、子供たちの教育の問題もその中の1つだと思う。キャリア教育に必要性があるということは、そこに問題があるということ。なぜ将来に希望が持てなくなったのか?ニートが問題になったのか?を考えたときにベースになるのは、やはり目標となりえる人がいないということもあると思うのだ。

一歩踏み出そう 

ネガティブ思考が漂う世代。一歩踏み出すことを考えてほしい。

ネガティブ思考が漂う世代。一歩踏み出すことを考えてほしい。

今の若い世代は、どんどん発展していく経済を経験することなく育ってきた。その影響は少なからずあると私は思っていて、いくら頑張ってもダメじゃん的な非常にネガティブ思考が強いのだと思う。だから夢や希望を持つことができない。たとえ夢を持っても、それは叶わないのではないか?という考えがあるからだ。

問題は、一歩踏み出す前に諦めてしまうこと。命を取られるとか、莫大な借金を背負うというのであれば慎重に考え、やらないという選択をすることも十分あるけれど、命の危険が全くない、金銭的なリスクもないのであれば、やってみればいいと思う。

そういう考えで、今回私は小学校の授業を学校側に提案した。そして理解と協力を得て実現した。一歩踏み出すことは私にもできたのだから、いってみれば誰にでもできるはずだ。だから、とにかく一歩でも半歩でもいいから踏み出してほしい。これが、小学校の授業を企画した人間のメッセージである。

【バックナンバー】
1回目 仕事って、いったい何だろう?
2回目 どうして給料をもらうことができるのだろう?
3回目 波平さんも、マスオさんも、ノリスケさんも・・・
4回目 中国に負けてたまるか!
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