12月8日付の新聞に、「不動産仲介 日本エイジェント 無人店舗システム外販」との記事がありました。

無人店舗システムとは、賃貸物件を検索できる専用端末を無人の店舗に設置するもの。ユーザーは端末を利用して賃貸物件を検索し、物件詳細を知りたい場合には、専用端末に装備されているテレビ電話を利用して、不動産会社の担当者と話すことが可能になっています。契約は有人店舗で行いますが、一部の物件の見学などはスタッフの同行なしでも可能。

このシステムを運営している日本エイジェントでは、昨年7月に第1号店をオープンしています。

このシステムが暗示するもの
 

新聞では、商業施設内に手軽に出店でき、店の運営費を抑えられるとのコメントがありましたが、これをどう捉えたらいいでしょうか。

 

このシステム、「無人店舗」というより、不動産会社にとっては「看板」なのではないかと思います。

確かに、集客力のあるショッピングモール内の小スペースに店舗を出店できることや人件費を抑えられることなどのメリットが不動産会社にはあります。また、ユーザーもスタッフがいない気軽さから端末を利用しようとする人が増えそうです。
でも、ユーザーにとってみれば検索した物件をすぐに案内してもらえなかったり、物件を自分で検索しなければならないデメリットもあります。

それでも無人店舗に端末を設置する不動産会社にしてみれば、自社の宣伝、つまり看板としての効果を確かめるのに有効でしょう。その販売促進ツールとして不動産会社は利用しているように思われます。

無人店舗であっても、端末に触れたり有人店舗に電話をかけたりしてくれれば、有人店舗と比較した費用対効果も分かるため、不動産会社としてはかなり正確に端末からの反響をつかむことができますし、今後の経営戦略も立てやすくなるでしょう。ただの宣伝看板では、それを見て問い合わせがあったとしても、その数までは把握しにくく効果は見えづらいですから、そでに比べるとかなり有意義な販促ツールといえます。

でも、「店舗」と考えるとどうでしょうか。

よく考えてみると、この無人店舗システムは

「端末で物件検索ができる」=「自宅のパソコンで物件検索する」
「詳細はテレビ電話で有人店舗に問い合わせる」=「スカイプや電話などで営業マンに相談する」

ということと変わりません。また、スマートフォンで歩きながら検索すれば、自宅以外の場所での物件検索も可能ですから、必ずしも無人店舗に行く必要はないのでは?というと疑問も生じてきます。
もし、このシステムが増えていけば、現在ある有人店舗が必要なくなるのかもしれません。でも、今のところは有人店舗でユーザーが受けられるサービスや接客内容を無人端末がすべて網羅してくれているとは言い難いでしょう。契約までのことを考えると、店舗としての機能なら有人店舗に分がありそうです。

ただし、物件検索のアプローチ第一歩のほとんどがWEBという現状を踏まえると、様々な場所で気軽に端末を利用できるシステムはとてもありがたいもの。新しい物件検索のカタチが広がることは、ユーザーにとって嬉しいことです。
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