結露対策の基本は、窓ガラスや壁を冷やさないようにすること
結露は冷たい水が入ったグラスの外側に水滴が付くのと同じ原理。木のお椀には付かない。
そこで対策にあたり、まずは結露の原理を知っておきましょう。仕組みは簡単、氷水が入ったグラスの外側に水滴が付くのと同じことです。冷たいグラスに空気が触れると、空気が冷やされて、含まれていた水蒸気が水滴となって現れます。
住まいの結露も、寒い冬に外気で冷やされた窓ガラスや枠、壁面に家の中の暖かい空気が触れると、空気が冷やされて水滴となり結露が発生します。特にマンションは気密性が高いので、もともと結露しやすい環境にあります。
つまり対策の基本は、窓ガラスや枠、壁を冷やさないこと!木のお椀には氷水を入れても水滴が付きません。木はガラスより断熱効果が高いので、なかなか冷えず結露しにくいからです。つまり窓や壁の断熱性能を上げるリフォームをすれば防ぐことができるようになります。
マンションの結露対策は、内窓取り付け、壁の断熱リフォームが効果的
マンションの窓の結露対策には、内窓を取り付けるリフォームが効果的です。外気に面した窓に空気層を作ることで、断熱効果を発揮し、冷えたガラスが室内の暖気に触れるのを防いでくれます。ここで注意したいのが、ガラス面だけを対策しても、アルミ枠部分の結露は止まらないということ。その点、内窓はガラス面だけでなく枠ごと覆うので、窓全体に効果があります。取り付けはとても簡単で、リフォームに掛かる時間は1箇所で2時間程度です。
マンションの窓の結露対策は、断熱性能を向上させる内窓の取り付けリフォームが効果的(LIXIL)
壁の結露対策には、断熱リフォームが効果的です。コンクリート面の内側に断熱材を張り付けることで、室内側の壁面が冷えないようになります。工事には、ボード状になった断熱材を取り付ける、発泡ウレタンの断熱材を吹き付けるなどの方法があります。ただしその分だけ厚くなり内側に出てきますので、家具の寸法に注意して下さい。
気密性の高いマンションでは部屋の温度差で間仕切り壁に結露することも
マンションは気密性が高いので、外気に面した窓ガラスだけでなく、間仕切りに結露が発生することがあります。寒い冬、暖房している部屋と、していない部屋の間に大きな温度差ができると、その間にある間仕切りにも発生する条件が揃ってしまいます。結露しやすいのは北側の冷えやすい壁、風通しが悪く空気だまりができる場所、温度差が大きな壁(一級建築士事務所 OfficeYuu)
上に結露しやすい部分の図をご紹介しておきます。まずは北側の冷えやすい壁、断熱性能が低いサッシ、風通しが悪く空気だまりができやすい場所です。
押入れやクローゼットなど風が通らない収納の中や、出窓のように壁が凹んでいる部分、キッチンの隅など風通しの悪い場所などは、気付かないうちに結露していることがあります。壁紙の継ぎ目がカビで黒ずんでいたり、カウンターが腐食していたら結露による被害の可能性がありますので、チェックしてみましょう。
室内窓のリフォームで風通しの工夫も、北側の壁には収納を作らない
結露対策には断熱だけでなく、換気と風通しも大切です。24時間換気扇をまわしておく、間仕切りに室内窓の取り付けリフォームをして家中に風がいきわたるようにする、小型のサーキュレーターで空気をかくはんするのも効果があります。間仕切壁に室内窓を取り付ければ風通しがよくなり、結露防止に役立つ。明かり取りの効果もある(一級建築士事務所 OfficeYuu)
クローゼットや押入れの内部は、調湿機能がある仕上げ材を使うことで、衣類や布団を湿気やカビから守ってくれます。収納は、定期的に扉を開け、換気するのを忘れないようにしましょう。
またマンションの北側の壁は結露が発生しやすいので、収納は作らないようにし、できれば家具も置かないようにしましょう。特に気を付けたいのがベッドの配置です。ベッドを北側面に接して置くと、結露と汗の湿気でカビの温床になりやすいので注意して下さい。
次のページでは手軽な対策、賃貸マンションでもできる工夫をご紹介します。