包丁を研ぐには砥石選びから
「ステンレスの包丁を研ぐのにレンガ色の砥石を使って研いでいませんか?」包丁の研ぎ方に関する講習会で講師も務める石田さんが生徒さんにこの問いを投げかけると、「きゃー私だ!」という声がたくさん上がるそう。「砥石には荒砥、中砥、仕上げ砥など目の粗さや原料の違いによる種類があり、その包丁に合った適切な砥石というものがあります」。硬めの性質であるステンレスや超硬金属は研ぎにくい材質なので削る力の強い砥石を選んだ方がよいとのこと。「一般向けには合成砥石(2種類の主原料が混合)が、鋼にもステンレスにも使えてお値段も手ごろなのでおすすめですよ」。ちなみにレンガ色の砥石は鋼の包丁に使います。
包丁を研ぐ時のポイント
正しい方法で研がなければ包丁が台無しになってしまいます。以下のポイントを頭に入れておきましょう。- 包丁の素材に合った砥石を選びましょう
- 洋包丁と和包丁では研ぎ方が違います。洋包丁は両面に刃がついた「諸刃(もろは)」、和包丁は片刃が基本
- 研ぐのは「刃」の部分。「平」の部分は研がない(平はコルクでお手入れを)
- 刃は全体を一度に研ぐのではなく、全体を4カ所に分け、順次位置をずらしながら研ぐ
洋包丁の研ぎ方
1.砥石を濡らし、包丁をのせる(砥石と刃の角度は常に一定に)峰の下に10円玉を3枚重ねたくらい浮かせて研ぐ
2.包丁の表(おもて)を研ぐ
左手の3本の指先で力を入れずに添えて、リズミカルに動かす。
3.裏を研ぐ
表よりも軽く研ぐ
引き切りで刃先をきれいに。砥石の裏を傷つけたくなければ蒲鉾板で代用してもよい