遊び場であり、審判役であり、ルールであるゲーム
もちろん1人でも遊べるわけですが、みんなで遊ぶ為のツールとしての役割が、より大きくなってきています。
このことが何を意味しているかというと、ゲームの役割に変化が起きているということが言えます。もちろん、前述した通り、1人で遊ぶ際の遊び相手としての役割は依然として重要です。それはポケモンBWやモンハンP3においてもそうでしょう。しかし、より重要なのは、誰かと遊ぶためのツールとして完成度が高いということです。
つまり、遊び相手としての役割は必要でありつつも、みんなで遊ぶ遊び場であり、公平な審判役であり、遊びのルールとして、質の高いものが求められます。
WiiとPS3やXbox 360の違い
PSムーブやKinectの初期タイトルには、みんなで遊べるゲームが非常に多いことからも、環境としてのゲーム性能を高めようとしていることがうかがえます。
WiiとPS3やXbox 360を比較して、ゲーマーの遊び相手としての力量は、PS3やXbox 360の方が圧倒的に高いでしょう。しかし一方でWiiは色んな人と一緒に遊ぶ環境を提供する役割としては大変に優秀なハードです。それは、Wiiリモコンでボタンをあまり使わず簡単に操作できたり、誰でもすぐにルールが理解できるシンプルなソフトがメインのタイトルとして最初から用意されていたり、また、それらが話題になって多くの人の興味関心の的になったということも、大きなポイントです。
PS3やXbox 360は、Wiiが大きく取りこぼしている遊び相手としてのゲームが必要なゲームユーザーを、2つのハードで取り合って市場を構成していますが、累計普及台数でそれぞれWiiから遅れをとっています。この状況を打破するべく、PS3やXbox 360は、PlayStation Move モーションコントローラー(以下PSムーブ)やKinectでみんなで遊ぶ環境としてのゲーム性能を高めようとしているのが、現時点です。
ちなみに、ちょっと話がそれますが、Wiiは逆に、ゼノブレイドやメトロイド アザーエムなど、1人でじっくり遊ぶゲームの充実に2010年は取り組んでいました。
それまで、遊び相手を提供してきたゲームは、ここ数年で、遊び相手だけではなく、誰かと遊ぶ環境としてのゲームを求められるようになりました。このことは、ゲーム業界のこれからに大きな影響を与えていくことになります。