あるゲーム開発者の一言
かつてのゲームと、最近のゲームには、違う役割があるようです。
今回は、ゲーム業界が今までとどう変わっていったのか、そして、これからどうなっていくのかについて、この「環境を提供するものになったゲーム」をキーワードに、考えてみたいと思います。
かつて、ゲームは遊び相手だった
もちろん、友達とも遊べますし、子供達は集まって遊んでいましたが、1人でも遊べるというところに他のボードゲームなどとの大きな差別化要因があります。
このベースボールというゲームは、今から考えると大変に単純なもので、投げて捕って、打って走ってというような、野球の基本的なことしかできません。しかし、1つ画期的だったこと、それまでのいわゆる野球盤と呼ばれるようなボードゲームとの大きな違いは、コンピューターが対戦相手をしてくれることです。友達との対戦は、ボードゲームでも、ファミコンでも、どちらでも遊ぶことができます。でも、1人で遊ぶ時には、ファミコンは相手役をしてくれますが、ボードゲームはしてくれません。ここが、それまでの多くの非電源ゲームと、テレビゲームの大きな違いであると言えます。
このことは、アクションゲームだとか、シューティングゲーム、あるいはロールプレイングゲームなどでも同じことです。この場合、ゲーム機は対戦相手ではなく、敵役を演じてくれます。主役である自分を適度に攻撃し、罠を張り、そして最後にはやられてくれる上手な敵役がゲームに求められました。
もちろん、今でもテレビゲームの役割として、プレイヤーの遊び相手になってくれるという要素は大きなポジションを占めています。対戦相手として、あるいはやられ役として。しかし、その役割は今、1番重要なものから、2番目、3番目に変わりつつあります。