平均給与400万円以下が約60%
給与階級別分布をみると、平均給与所得400万円以下の人は58.3%です。男女別では、男性は約43%、女性は約81%で、女性の給与の低さが際立ちます。もう少し細かく見てみましょう。男性は、300万円超400万円以下が一番多く18.7%、次いで400万円超500万円以下が17.1%、200万円超300万円以下が13.4%と、500万円以下が約60%(うち400万円以下は約43%)を占めます。しかし前年に比べると500万円以下の割合は減少し、500万円超の層が900万超1000万円以下を除き増加しています。
女性は100万円超200万円以下が26.1%、200万円超300万円以下が21.8%、100万円以下が17.6%、300万円超400万円以下が15.6%で、400万円以下が実に80%を超えています。しかし400万円以下が占める割合は前年の82%から81.1%に減少しており、着実に400万円超の層は厚くなっています。注目すべきは100万円以下の層が16.8%から17.6%に急増していることです。これは配偶者控除が適用されるパートを選ぶ女性が増えているということでしょうか。
給与階級別給与所得者の構成比は次のようになっています。( )は前年の構成比です。
<男性>
100万円以下 3.2(3.2)
100万円超 200万円以下 7.5(7.6)
200万円超 300万円以下 13.4(13.5)
300万円超 400万円以下 18.7(19.2)
400万円超 500万円以下 17.1(17.4)
500万円超 600万円以下 13.0(12.7)
600万円超 700万円以下 8.4(8.2)
700万円超 800万円以下 6.0(5.9)
800万円超 900万円以下 4.0(3.8)
900万円超 1000万円以下 2.5(2.6)
1000万円超 1500万円以下 4.5(4.3)
1500万円超 2000万円以下 1.0(0.9)
2000万円超 2500万円以下 0.3(0.3)
2500万円超 0.4(0.3)
<女性>
100万円以下 17.6(16.8)
100万円超 200万円以下 26.1(26.7)
200万円超 300万円以下 21.8(22.4)
300万円超 400万円以下 15.6(16.1)
400万円超 500万円以下 8.9(8.6)
500万円超 600万円以下 4.8(4.5)
600万円超 700万円以下 2.2(2.0)
700万円超 800万円以下 1.2(1.1)
800万円超 900万円以下 0.7(0.6)
900万円超 1000万円以下 0.4(0.4)
1000万円超 1500万円以下 0.7(0.6)
1500万円超 2000万円以下 0.1(0.1)
2000万円超 2500万円以下 0.1(0.1)
給与所得者数は女性と非正規が増加
平成25年、1年を通じて勤務した給与所得者は正規より非正規が、男性より女性の増加が顕著で、給与所得者に占める非正規の割合は22.4%(前年比比0.7%増)、女性の割合は40.7%(同0.5%増)になりました。●正規3056万人(平成24年比1.5%増)
男性2095万人(同0.7%増)
女性960万人(同3.1%増)
●非正規 1040万人(同5.3%増)
男性314万人(同6.8%増)
女性726万人(同4.6%増)
政府は少子高齢化による生産年齢人口の減少問題に対して、女性や高年齢者の雇用を促進することで対応しようとしており、現時点ではこれらの多くは非正規雇用で働いています。雇用形態や賃金体系について企業は手探りの状態ですので、今後しばらくは非正規雇用が増えるでしょう。平成27年が雇用形態や性別による給与格差是正の元年になってほしいものです。