第７戦・富士が台風の影響で中止
2010年シーズンで唯一残念だったことは、台風の影響で第７戦・富士スピードウェイ戦が中止になったことです。富士スピードウェイの施設だけでなく、周辺の静岡県小山町も大きな被害を受け、周辺道路も陥没する事態に。数万人のファンが自家用車で来場する「SUPER GT」ですから、周辺住民に配慮する形でやむなく中止が決定されました。シーズンとしてはひとつドラマの要素が減ることにはなりましたが、GT300のドライバーである片岡龍也が発起人となって小山町への義援金をファンに呼びかけ、ファンと一体になったチャリティ活動がスタート。メーカーの枠を越える形で多くのドライバーがこの活動に賛同し、9月30日に義援金450万円が小山町へと寄付されました。
富士スピードウェイ 【SUPER GT.net】
また、「DENSO DUNLOPサード SC430」を駆るアンドレ・クートの愛息であるアフォンソ君が白血病におかされ、骨髄移植が必要になった時に、ドライバーやチーム関係者がファンにドナー登録を呼びかけました。残念ながらアフォンソ君は闘病生活の末に今月亡くなってしまいましたが、「SUPER GT」の関係者とファンが白血病について考え、ドナー登録を多くの人が行いました。
こういった形で人気レース「SUPER GT」が社会とより深くつながりを持とうとする、今までに無かった動きがあったことも今年のトピックスとしてあげておかなくてはならないでしょう。
来年以降に向けた動き
エキサイティングな接戦、質の高いバトルでファンを楽しませてくれた「SUPER GT」。来シーズンに向けての動きとしては多くのことは決まっていません。スケジュールは全８戦＋特別戦で変わりませんが、休止していた九州オートポリスでのレースが復活し、逆に鈴鹿サーキットでのレースが夏の700kmレースだけになります。第1戦 4月2～3日 岡山国際サーキット
第2戦 4月30～5月1日 富士スピードウェイ
第3戦 6月18～19日 セパンサーキット
第4戦 7月30～31日 スポーツランドSUGO
第5戦 8月20～21日 鈴鹿サーキット
第6戦 9月10～11日 富士スピードウェイ
第7戦 10月1～2日 オートポリス
第8戦 10月15～16日 ツインリンクもてぎ
特別戦 11月12～13日 富士スピードウェイ
2012年以降は一つのサーキットにつき１レース開催の方向でスケジュールが組まれて行く方向で、今後はF1韓国GPが開催された韓国インターナショナルサーキットや上海国際サーキットでの開催が噂されており、アジアへの進出が大きな課題となってきます。
マレーシア・セパンサーキットでの開催は恒例となった。SUPER GTの場合はマシンや機材を船便で送るため、海外サーキットでの開催はそれだけ前後の輸送時間も要する。【SUPER GT.net】
ただ、日本国内の景気の低迷、円高が自動車メーカーを圧迫している状況もあるので、今後の動きは気になる所です。来年はGT300クラスに新たなFIA-GT規定のスーパーカーの参戦、あるいは元F1ドライバーなどネームバリューのある選手の参戦、さらには実力未知数の若手の台頭なども期待したいですね。ドライバーラインナップも今年はかなり大きく動くかもしれません。来シーズンも素晴らしいレースを期待しましょう。
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