モータースポーツ/SUPER GTについて

SUPER GT 2010年シーズン 総集編(2ページ目)

国内外のGTマシンが異種格闘技戦を展開する人気レース、「SUPER GT」の2010年シーズンを振り返る。ホンダのニューマシン「HSV-010 GT」の参戦、バトルの連続など、GTの歴史の中でも際立って華やかなシーズンだった。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

2010年のシーズンを振り返ると、本当に話題が豊富で、トピックスを絞りきるのが非常に難しいのですが、印象的な出来事をいくつかあげてみましょう。

KONDO RACING技ありの開幕戦優勝!

開幕戦・鈴鹿で近藤真彦監督率いる「KONDO RACING」の「#24 HIS ADVAN KONDO GT-R」がタイヤ無交換作戦を決行し、下馬評を覆す優勝を飾ったことは大きなインパクトを感じるできごとでした。

HIS ADVAN KONDO GT-R

HIS ADVAN KONDO GT-R 【SUPER GT.net】


ワークスマシンがひしめき合うGT500クラスで唯一「横浜ゴム」のタイヤを装着する同チームのニッサンGT-R。レースでとても重要なファクターであるタイヤに関するリソースを1台に集中投下できるメリットがある反面、データ収集面では複数台の車両を抱える他のタイヤメーカーに比べて不利な状況です。500馬力の巨大なパワーを路面に伝えるGT500クラスでは難しい、とされてきたタイヤ無交換作戦という奇策に出て鮮やかな優勝を飾ったことは、このレースの面白さと奥の深さを知らしめてくれました。


レガシィB4が嬉しい初優勝!

様々な車両が参戦し、まさに「何でもアリ」状態のGT300クラス。700kmの長距離レースとなる第6戦・鈴鹿では昨年から登場したスバルの「レガシィB4」が初優勝を飾りました。

昨年のSUPER GT登場時は同車のウリである新技術「シンメトリカルAWD」を採用して果敢な技術挑戦を行いましたが、今シーズンは結果を残すことを最優先し、FR(後輪駆動)を採用。第4戦のマレーシア・セパンを欠場してまでモディファイを行った努力が真夏の鈴鹿でついに結実したのです。

LEGACY B4

SUBARU LEGACY B4 【SUPER GT.net】



かつてレースは「走る実験室」と呼ばれました。市販車の技術をレースの現場で磨くというものですが、昨今の環境技術や安全性または快適性を重視した新技術はレース競技とは対極に近い部分があり、シンクロさせるのが非常に難しくなっています。自動車メーカーとしては技術向上という大義の下ならレース活動を行いやすいと言えますが、その一方で新技術を勝利の一因とするまでには莫大な開発費も必要となり、さらには結果を残すことも重要です。

「レースに勝つ」というピュアな姿勢に立ち返り、その上で努力を惜しむこと無く技術を磨き、優勝という形でスバリスト(スバルファン)を興奮させてくれたことは非常に良いことだと思います。技術向上も大切ですが、ファンやオーナーを喜ばせるレースも大切だと思いました。

若手の台頭が目立った2010年

GT500の塚越広大(ホンダ)、大嶋和也(レクサス)、山本尚貴(ホンダ)など、まだ20代前半の若手ドライバーたちが目覚ましい活躍を見せたことも今シーズンの大きな収穫だったと思います。

これまでベテランあるいは中堅のドライバーの影に隠れることが多かった若手ドライバー達ですが、テストが厳しく制限される時代で走行チャンスが少ないにも関わらず、先輩顔負けの速さや巧さを披露したことも印象的でした。


なかでもエポックメイキングだったのは、GT500の走行経験わずか30周程度のルーキー小林崇志のポールポジション獲得でしょう。チームの予選ドライバー登録ミスによって偶然にも巡ってきた大役を最高の形へと導くパフォーマンスは、若手ドライバーのポテンシャルの高さを証明し、新時代の到来を予感させました。
SUPER GT.net

ARTA HSVのドライバーと鈴木亜久里監督。一番右がニュータイヤの初チャレンジでポールを獲得した小林崇志 【MOBILITYLAND】


次のページでも今シーズンのトピックスをあげながら、来シーズン以降に向けた「SUPER GT」の動きをご紹介します。

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