最大のメリットは電池が切れても500km走ること
車両の基本情報を挙げておく。・ フロントドライブの5ドア4人乗りサルーン
・ 2つのモーター(駆動用/発電用)+リチウムイオンバッテリー搭載
・ 新開発プラットフォーム採用
・ バッテリーはT字型でセンターコンソール下に設置
・ 発電用1.4リッター直4DOHCエンジン搭載
・ 北米価格4万1000ドル
・ 日本市場への導入は2012年以降
サイズは全長4498×全幅1788×全高1578mm、ホイールベース2685mm。軽量17インチアルミホイールに、低転がり抵抗のグッドイヤー製タイヤを装着する
ちなみに、ガソリンはハイオクで、タンク容量35リットル。これで最大およそ500km(310マイル、EV領域含まず)走るという。
GMとしてはたとえエンジンを積んでいても、そのエネルギーを直接使うわけじゃなく、常にモーターが(電気的な)駆動装置になっているのだからEVなのだ、と主張しているに過ぎない。事実、世界で最も排ガス規制の厳しいカリフォルニア州では、発電用エンジンの排出ガスが問題視され、EVやPHVと同様の優遇措置は、2011年モデルにおいては受けられない旨、発表された。GM側は、2012年モデル以降で挽回すべく、モーターやバッテリーにさらなる改良を続けると応えている。
もうひとつ問題となったのは、エンジンが直接、通常のクルマと同様に、車軸との機械的/物理的な繋がりをもっているか否か、ということだった。つまり、プリウスのようなプラグインハイブリッド車の仲間ではないか、という指摘だ。これにも、そう疑う根拠があった。プリウスと同様に2つのモーターと1つのエンジン、そしてプラネタリギアによる動力分割装置を用いており、実際にレンジエクステンド領域で試乗すればあたかもエンジン動力が車軸に伝わっているかのようなグラフィックが立ち現れしかもアクセル開度に応じてエンジン回転数も上下することが、その根拠だったと推測される。(さらにもうひとつ言えば、モード別走行制御におけるマウンテンモードの記述にも誤解を招く表現があった)
ただし、詳細に仕組みを観察してみれば、遊星歯車におけるリングギア、サンギア、プラネタリギアにそれぞれ繋がる装置の構成がプリウスとは全く異なっており、あくまでも駆動力は電磁的駆動装置によって供給されているというGMの主張も成り立つ。“だったらエンジン動力も積極的に直接使った方が効率的なんじゃない? ”と言いたくなるが、そうすればトヨタの特許包囲網に絡めとられるハメになっただろう。
288個(重量198.1kg)のリチウムイオンバッテリーは、9つのバッテリーモジュールでポリマーコートのアルミ製筐体に収められセンタートンネル部に搭載。充電時間は120Vで約10~12時間、240Vで約4時間となる。バッテリーはアクティブ液体制御システムによって温度をリアルタイムに管理される