通夜・葬式の弔問マナー/通夜・葬式の弔問マナー

焼香・玉串奉奠・献花の作法

宗旨・宗派、地域によって異なる焼香・玉串奉奠・献花の作法。「マナーよより気持ちが大切」といえども、失礼にならないよう基本的なマナーはおさえておきましょう。

吉川 美津子

執筆者:吉川 美津子

葬儀・葬式・お墓ガイド

焼香の順番がまわってきたら

お経が始まってしばらくすると、遺族から焼香が始まります。一般の参列者は、遺族・親戚の後に案内されます。
丁寧にお参りをするならば、遺族へ一礼→祭壇へ一礼→焼香→遺族へ一礼、という流れになりますが、参列者全員が遺族へおじぎばかりしていたら、それに応える遺族は疲れてしまいまうことも考えられます。儀式の最中の礼はあえて略すというのも、マナー違反にはあたりません。
お経の最中に、遺族に「このたびは……」と話しかけるのは×。お経はバックミュージックではないのですから、言葉をかけるなら開式前か終ってからにしたほうが失礼にならないでしょう。


焼香の作法

抹香をつまむ量は少量でOK。換気の悪い会場だと、煙が充満してしまうこともあります。

抹香をつまむ量は少量でOK。換気の悪い会場だと、煙が充満してしまうこともあります。

仏式で行われる焼香の作法は、宗派によって異なります。抹香をつまんで額にいただく場合もあれば、そのまま香炉に入れる場合もあります。回数も1~3回までまちまち……。すべての宗派の作法を心得ている人は稀でしょうし、実際に会場に行って「これは○○宗の葬儀!」と見抜く人もいないでしょう。大切なのは気持ち。宗派と違う焼香をしたからといって失礼にあたるわけではありません。

とはいえ、「気持ちが大切」とばかりに作法をないがしろにしてもいけません。せめて自分が属する宗派の作法だけは普段から意識して把握しておきたいものです。


■主な仏教各宗派の焼香作法

宗派/焼香の回数/作法/線香の場合】
  • 天台宗/1回又は3回/特に決まりはない/3本たてる
  • 真言宗/3回/仏法僧に帰依するという意味で額におしいただきながら3回/3本たてる
  • 浄土宗/1~3回/特に決まりはない/1本(2本)たてる
  • 浄土真宗本願寺派(西)/1回/抹香は額におしいただかず、そのままつまんで香炉へ/香炉に横に寝かせていれる
  • 真宗大谷派(東)/2回/抹香は額におしいただかず、そのままつまんで香炉へ/香炉に横に寝かせて入れる
  • 曹洞宗/2回/1回目は額におしいただき、2回目はそのまま香炉へ/1本たてる
  • 臨済宗/1回/額におしいただきながら焼香/1本たてる
  • 日蓮宗/1回又は3回/額におしいただきながら焼香/1本たてる
  • 日蓮正宗/3回/額におしいただきながら焼香/香炉に横にねかせていれる

玉串奉奠の作法

神道の場合は、玉串奉奠が行われます。作法がわからない場合は、遠慮なくスタッフに聞いてみましょう。

神道の場合は、玉串奉奠が行われます。作法がわからない場合は、遠慮なくスタッフに聞いてみましょう。

神道では、仏式の焼香にあたるお参り方法を「玉串奉奠(たまぐしほうでん)」と言います。玉串奉奠をする基本の作法は、「二拝・二拍手・一拝」。つまり二回礼をした後に、2回拍手をして1回礼をします。拍手は音をたてない「しのび手」で。くれぐれもパンパン!と音をさせないように。
*神社によって作法は異なります。


献花の作法

献花に使われる花は、白いカーネーションや菊が多いようですが、故人が好きだった花、季節の花にするケースもみられます。色も白限定ということではありあません。

献花に使われる花は、白いカーネーションや菊が多いようですが、故人が好きだった花、季節の花にするケースもみられます。色も白限定ということではありあません。

日本ではキリスト教の葬儀は献花が多くなっています。一般的には、スタッフや信者から花を渡されたら茎を故人側に向けるように起きます。無宗教で献花によるお別れが行われた場合も同様にします
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