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洗練された使い勝手のキヤノン「PIXUS MP980」

キヤノン「PIXUS MP980」は、2008年10月に発売されたA4インクジェット複合機のハイエンドモデルだ。

安蔵 靖志

執筆者:安蔵 靖志

デジタル・家電ガイド

自動両面印刷機能が魅力的なPIXUS MP980

キヤノン「PIXUS MP980」は、2008年10月に発売されたA4インクジェット複合機のハイエンドモデルだ。

従来のPIXUSシリーズを踏襲する、シルバー基調にピアノブラック調をあしらったデザインを採用。スクエアなフォルムにシャープな色合いで、後部トレイや排紙トレイ部を収納できるようになっているため、リビングに置いても違和感のない印象だ。デザインからかコンパクトに見えるが、A4縦型対応前面給紙カセットを内蔵するだけあって、サイズは大きめ。

インクシステムは染料系のC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)、GY(グレーインク)に、染料系と顔料系のブラックインクを加えた6色独立インクシステムを採用する。

印刷速度は、公称でL版写真印刷(キヤノン写真用紙・光沢ゴールド)が1枚約17秒、A4写真印刷(キヤノン写真用紙・光沢ゴールド)が1枚約40秒。筆者が実際に試してみたところ、A4普通紙カラー文書で1枚あたり20秒程度、L版写真印刷で同40秒程度だった。
キヤノンが2008年10月に発売したハイエンドA4インクジェット複合機「PIXUS MP980」

キヤノンが2008年10月に発売したハイエンドA4インクジェット複合機「PIXUS MP980」


PIXUSシリーズと人気を二分するエプソン「Colorioシリーズ」に比べ、魅力的な機能の一つとなっているのが「自動両面印刷」だ。

普通紙では裏写りしやすいので、それほど使う機会は多くないかもしれない。だがプリンタ・複合機の主な用途の一つが「年賀状印刷」という人なら、かなり頼もしい機能となる。ちなみに自動両面印刷の利用はパソコンからの印刷に限られており、ハガキの自動両面印刷は対応ソフトが必要といった制限もあるので注意したい。
6色独立インクを採用。インク交換時には、残量がなくなったインクを点滅で教えてくれるという親切な設計となっている

6色独立インクを採用。インク交換時には、残量がなくなったインクを点滅で教えてくれるという親切な設計となっている


インターフェースはUSBのほか、有線LAN(100BASE-TX/10BASE-T)と無線LAN(IEEE802.11b/g)、オプションでBluetoothにも対応。有線LANと無線LANは排他利用だが、印刷やスキャンなど一通りの機能をネットワーク経由で利用できるのはうれしい。オプションのBluetoothは印刷専用となっている。
給紙トレイは前面下部と背面の2つを用意しており、前面は普通紙のみ(A4、A5、B5、レター)対応だ

給紙トレイは前面下部と背面の2つを用意しており、前面は普通紙のみ(A4、A5、B5、レター)対応だ


写真の印刷品質は、ハイエンド機だけに十分高精細ながら、色合いは意外におとなしいという印象を受けた。従来はエプソン機に比べてキヤノン機の方がビビッドで“記憶色”という感じだったが、デジカメ側が記憶色の画作りを行っていることが多いことから、プリンター側は比較的フラットなのではないかと感じる。

「PowerShot」や「IXY DIGITAL」、「EOS DIGITAL」シリーズなどのキヤノンデジカメと組み合わせると、ちょうどいい画作りなのだろう。このあたりは、いくつか印刷してみて自分の好みの色合いを探してみるのがいいのかもしれない。

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