実力があるがゆえの足踏み?
新旧の芸人がひしめき合っている吉本興業では、キャリア、実力とも十二分にありながら、最大限に発揮し切れていない芸人も少なくありません。93年デビューの2丁拳銃も、その実力から見て、もっと飛躍できるコンビのように思えます。いや正確には、アイドル顔負けの人気を獲得したこともありました。しかし「関西の芸人は二回売れなあかん!」というセオリーどおり、大阪でブレイクした彼らは、東京進出によって新たなスタートを切りました。
そして、現状はというと。決して悪くはないです。ネタも豊富で、トークも面白いし、「爆笑!レッドカーペット」にも頻繁に出演していて、二度目のブレイクも時間の問題じゃないかと見られていましたが…。
「ちょうどええ」の真髄を極めろ
相次ぐネタ番組の終了は、2丁拳銃だけでなく、ブレイクする力を秘めた若手、中堅芸人に大打撃となりました。その中でも、何か一つきっかけがあれば、そのままメジャーに駆け上れるパワーを持っていた彼らだけに、古くからのファンの一人として複雑な思いがあります。いま、推しているのは、やっぱり「クイズちょうどええ」のネタだと推察します。もちろん、今のままでもメチャメチャ面白いんですが、例えばフリートークの中でも「ちょうどええ話」が出てくるようになると、芸人トーク全盛のいま、にちょけんらしさが発揮できるんじゃないでしょうか。
一気にスターダムに上りつめた感のあるビートルズも、実は下積みの苦労を重ねてきたことは、ファンやマニアには周知の事実。2丁拳銃の2人も、ここで一気に風を呼び込んで、晴れて「吉本のビートルズ」を名乗ってほしいと、切に願う次第です。