他の退職金制度と確定拠出年金とはトータルで考える
分散投資は運用資産全体で考えるのが401k活用のコツ
もちろん分散投資は大前提ですが、制度を有効活用する手段として、例えば投資信託100%といった商品選択もアリといえます。
たとえば、勤務先の退職給付制度が「退職一時金+確定拠出年金」「確定給付年金+確定拠出年金」「退職一時金+確定給付年金+確定拠出年金」など2本立て、3本立てになっているケース。退職給付制度を全体像でとらえると、ある程度決まった金額を受け取れる退職一時金や確定給付年金は安定運用部分、確定拠出年金は積極運用部分ととらえることもできます。
仮に、老後資金づくりのうち3割を投資=確定拠出年金で行うとします(残りの7割は退職一時金での受け取りを想定)。この投資部分を、たとえば日本株:外国株=1:1で運用したいなら、確定拠出年金の配分指定は日本株ファンド50%、外国株ファンド50%とすればよいのです。
個人の資産と確定拠出年金もトータルで考える
勤務先にマッチング拠出が導入されたら、その活用も含めたプランニングを
個人資産と確定拠出年金の両方で老後資金を準備していくとして、60歳までに3500万円は用意したいと考えたとします。
たとえば「毎月5万円の積立で4%の利回りを獲得できれば目標を達成できる⇒4%の利回りを目指すためには国内債券20%、外国債券25%、国内株式25%、外国株式25%、元本確保型5%の資産配分がよいだろう」と運用の目標をイメージできたとします。
この場合もやはり、国内外株式や外国債券といったリスク資産での運用は主に確定拠出年金で行い、国内債券や預金といった安全資産での運用は個人で行うのが効果的といえます。確定拠出年金の掛金が月額2.5万円であれば、その掛金は国内株式ファンドと外国株式ファンドの購入にあて、残りの2.5万円は毎月のお給料から預金や債券ファンドの積み立てにあてる、といった具合です。
まず、マネープランありき
このように、「非課税、ローコスト」のメリットを最大限に生かすなら、運用目標に合わせた資産配分をもとに、確定拠出年金の掛金を積極運用に割り振るという方法があります。とはいえ、必要以上にリスクをとるのはNG。まずは自分のマネープランを立てることが大切です。自分が送りたい老後生活をイメージし、そのためには退職給付金をいくら受け取りたいのか、退職までにいくらを準備したらよいのか、そのためにはどんな運用を目指すのかといった目標設定から行いましょう。運営管理機関のウェブサイト上のシミュレーションツールなどもフル活用し、まずは自分にあった資産配分を検討してくださいね。