長期優良住宅/長く暮らせる家

長く暮らせる家の条件 -間取り編-(2ページ目)

暮らしやすい間取りでなければ、快適に長く暮らすことはできません。しかし、家族構成やライフスタイルの変化によって、自分に適した間取りは変わってくるもの。では、長く暮らせる家にふさわしい間取りとはどんな形なのでしょうか。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

可変性のある家は壁が少ない 

可変性が高い住宅とは、簡単に言うと取り払えない壁が少ない家です。平面図を見ると、構造上どうしても必要な壁と、部屋と部屋を区切るためにつくられた壁があるのがわかります。構造上必要な壁とは、建物を支える耐力壁のこと。耐震性にも影響するので、適切な分量だけ偏りなく配置しなければなりませんが、取り払ったり移動するのが難しいので、間取りの制約になることがあります。後で間取りを変更する可能性を考えれば、取り払うことのできない壁は少ないほうがいいことになります。さらに、スケルトン・インフィルのように、構造体と、内装・設備を分けた設計なら理想的ですね。

集成材などの構造材や構造用合板、施工方法などの選択によって、耐力壁を効率よく配置することができるケースもあるので、住宅メーカーとよく相談してみましょう。ただ、長く暮らせる家に必要なレベルの耐震性を損なうことのないように。

大きな空間を家具や建具で仕切る

適切な分量の耐力壁をバランスよく配置したら、後はできるだけ壁をつくらず、空間は家具や建具などで仕切るようにしてはどうでしょうか。

広いリビング

広い空間をつくっておけば、収納家具などで区切ることができるので便利です

具体的には、移動できる収納家具を間仕切りとして利用する方法があります。家具に設けられたハンドルを回すとラクに移動できる収納家具が商品化されています。移動できる収納家具なら生活に合わせて部屋を区切る位置を変えることが可能です。サイズのオーダーができたり、天井の高さで突っ張るように固定できるタイプもあるので、検討してみるとよいでしょう。

また、連続した空間に引き戸を開閉することで臨機応変に使えるようにした設計にするのもよいアイデアです。場所によっては引き込み戸にすると、普段は大きな空間として使うことができ、必要なときだけ引き戸を閉めて空間を使い分けることができます。

そのほか、カーテンやロールスクリーンなど、緩やかな間仕切りを活用するのもよい方法。さりげなく空間を区切ることで、狭い場所でも面積以上に広々と感じさせることができるでしょう。

断熱性の高い家であることが前提

壁を最小限にして、収納家具や建具で区切るような家にするには、断熱・気密性のよい家であることが前提です。家の中のどこにいても、温度差がほとんどない家でなければ、快適な生活ができないからです。
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