妊娠・出産が、自分が生きてきたことを見つめなおす機会に
大葉ナナコさん、竹内正人さん
大葉:
親から愛されていないと感じていた人でも、本当に愛されていなかったわけではなく、親が忙しいなどでそう感じさせてしまうケースもあるかもしれません。子どもが親から愛されていると感じられるよう、まずは言葉に出すことが大事だと意識して、私は「生まれてきてくれて、ありがとう」は日々連発しています。高校生くらいになっても娘には抱きついちゃったり、スキンシップも愛情表現として意識しています。嬉しいひと時です。
竹内:
子どものときに自分が愛されなかったという経験を持つ人が、自分がいのちを授かったとき、親になる葛藤は相当なものがあるんじゃないかなと想像します。でも、自分もこうやって生まれたんだなとか、こうやって育てられたんだなというのを見つめなおしながら、自分で生きてきたありようを思いながら歩んでいくうちに、きっと開けていくものがあるはず。妊娠中だけでなく、子どもが生まれてからも、悩んだり、葛藤したりすると思う。そういったときにきっと、自分の親はどうやって生きてきたんだろう?と感じたり、今になってみると親の気持ちがわかるということがありますよね。
人との比較じゃない幸せに目を向けたい
竹内:
自分のなかに産む、育てるというイメージがないと、人との比較の中で、自分のイメージを作っていくケースが多いような気がします。ほかのみんなはどうしているんだろう?というのばかりが気になってしまうとか、平均的なところを目指してしまうとか。
人との比較ではなく、それぞれに物語があるのだから、そこに目を向けてほしいですね。たとえ自分のイメージ通りにいかないとしても、そのときは苦しかったり、悲しかったり、怒りを覚えたりしても、そこに向き合うことで生まれてくるものが確かにある。ひとつのいのちが生まれてくる大きさ、重さというのを感じてほしいですね。
18トリソミーという難病を抱えて生まれてきた虎ちゃん。ご両親の愛情やいのちの輝きにあふれている
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