自分はいい親になれるのだろうか?という不安

映画『うまれる』では、虐待経験を持つ女性が妊娠し、母になるプロセスが描かれています。自分はちゃんといい親になれるのだろうか?という不安は、多くの妊婦さんにも、育児中の方にも共通する思いではないでしょうか。一方、両親との不和から、自分が父親になるという実感を持てないパートナー。二人は戸惑いながら、少しずつ親になっていくのです。
 

あああああ

悩みながら、母になり、父になり、家族になる

 

「産む」ということは、「生き直し」

猪熊弘子(以下、猪熊):
私は、「産む」ことって実は、「生き直し」みたいなものなんじゃないかな、と思うんです。人生の追体験、っていうんでしょうか。自分がどう育てられてきたのか、どう育ってきたのか、産んで初めて気付かされる部分がある。映画のテーマのひとつもそこにあると思うんですね。「親になること」は、人生を変えてしまう体験。

それまで、自分の人生を決して肯定的に受け入れられなかった人でも、産むことで、新しく生き直すきっかけになることがあるんだと思います。

子育ては毎日想定外の出来事がたくさん。大変というより楽しい

猪熊弘子さん、大葉ナナコさん

「子育ては想定外の出来事がたくさん」猪熊弘子さん(左)、大葉ナナコさん(右)

大葉ナナコ(以下、大葉):
猪熊さんも私も子沢山。子どもが多くて大変でしょう?と聞かれることも多いですが、毎日想定外の出来事がたくさんで、正直言って楽しいですよね。

もちろん、洗濯物もお皿の枚数も5倍ですから疲れましたが、かといって子どもが一人だった時の5倍の疲れではないんです。5人の子を産んで知ったのは、子ども同士が本当によくフォローしあって、成長しあってくれるので、親の精神消耗が5倍になるわけではないということです。

私は20歳の夏休みに8ヶ国を旅して帰国したあとの日記に、「今回の人生は女性に生まれているのでたくさん子どもを産みたい」って、書いていたんですよ。15年間で5人の子どもを産むことができて、夢がかなったんです。とはいえ、細かく計画して時期をみたわけではないのですが、4歳違いで5回、出産した歴史を持ちます(笑)。

子どもがいる喜びを実感するのは、お鍋を家族みんなで囲んでいるときや家族旅行のとき、私の誕生日に子どもたちが毎年、手紙を書いて渡してくれるとき、子どもを通じて、気の合うママ友や家族と出会えたとき。「ああ、この子たちもいずれ大人になるんだな」とノスタルジックになりつつも、時間のつながりといのちのつながりを実感するときなど。5人の子どもがいて、喜びは5倍ですね。

>> 1人目から2人目を産む時のハードルが一番高かった