美術館/美術館レビュー

直島や犬島、豊島の美術館、アートスポット

アートの島として近年注目を浴びている直島をご紹介します。近年は、近隣の犬島や豊島も美術館、アートスポットが続々とオープン。海に囲まれた島々の自然とともに、アートを味わいましょう!

浦島 茂世

執筆者:浦島 茂世

美術館ガイド

直島や犬島、豊島の美術館、アートスポット

温暖な瀬戸内海の島々。このごろ、特に香川県の直島とその周辺の島々が最先端のアートスポットとして注目が集まっています。2010年には2つの美術館が開館、そして夏に開催された瀬戸内芸術祭も、国内外で話題となり多くの訪問客が訪れました。

今回は、瀬戸内のアートスポットとして、もっとも人気のある直島。そして、その直島からもほど近い豊島、犬島の美術館、アートスポットを紹介します。

 

直島の美術館を楽しむ

草間彌生“赤かぼちゃ“写真:渡邉修

草間彌生“赤かぼちゃ”写真:渡邉修

瀬戸内海全体のアートの高まりは、この直島から始まりました。直島に向かうフェリーから、一番最初に見られるアートがこの海辺にたたずむ草間彌生の「赤いかぼちゃ。船が近づくにつれ、どんどん大きく見えてくるかぼちゃを見ていると、期待がとても高まってきます!

島全体がアートであふれている直島、まずは、この島でじっくりアートを楽しみましょう。

■地中美術館
~陽の光とアートが地中で出会う
地中美術館undefined撮影:藤塚光政

地中美術館 撮影:藤塚光政

もともとは棚田状の塩田があった土地に建設された安藤忠雄の設計による美術館は、景観を守るために建物がほぼ地中にあるというのに(だから地中美術館という名前)陽の光がふんだんに降り注いでいます。

この美術館には建物と同様「光」を制作のポイントに置いている、クロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの厳選された3名の作品のみが展示されています。

作家数は少ないものの、日の光によって表情を無限に変化させていく作品が多く、一つの作品であるのに、無限の表情を楽しむことができます。また、作品だけでなく建物、変化する光と時間の流れ、など楽しめる要素も無限大。

特にオススメなのが、ジェームズ・タレルの青い光が印象的な「オープン・フィールド(2000年) 」。ネタばれになってしまうため、あえて詳しくは触れませんが、この作品のために直島に行ってもよいくらい。鑑賞というより体感という単語が相応しい作品です。

また、地中美術館のカフェ「地中カフェ」の窓際席は絶景! 瀬戸内海を見ながらのんびりできますよ。

<DATA>
住所:香川郡直島町3449-1
TEL:087-892-3755
開館時間:10:00~18:00(10月1日~2月末日までは~17:00)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)12月30日~1月2日
入場料:2,060円(15歳以下無料)
公式サイト

※ 地中美術館は印象派のある美術館でも紹介しています。


■李禹煥美術館
~直島で一番新しい美術館
李禹煥「線より」(1974) 写真: 渡邉修

李禹煥「線より」(1974) 写真: 渡邉修

2010年6月に直島に新たに美術館が誕生しました。アーティスト初の個人美術館となる李禹煥(リ・ウファン)美術館。後ほど紹介する他の美術館と同じく世界的な建築家、安藤忠雄が建物を設計しました。
 
李禹煥美術館undefined写真: 山本糾

李禹煥美術館 写真: 山本糾 「線より」など代表作を展示する「出会いの間」

石や木、紙などの素材(もの)を単体、あるいは組み合わせることにより作品を作り出す「もの派」は1960年代から70年代にかけ、日本の現代美術において大きなムーブメントになりました。李禹煥は、この「もの派」の代表作家として現在にいたるまで、多くの人々に影響を与えています。

半地下構造の建物は、5つのスペースで構成。静かに、しかしながら力強く李禹煥の作品を包み込んでいます。いわば、李禹煥作品と安藤建築のコラボレーション。作品を、作品と建物の調和を、そして建物そのものを、時間をかけて楽しむことができます。
李禹煥美術館undefined写真:山本糾

李禹煥美術館 写真:山本糾


<DATA>
住所:香川県香川郡直島町字倉浦1390
TEL:087-892-3754
開館時間:10:00~18:00(3月1日~9月30日)、
10:00~17:00(10月1日~2月末日)
休館日:月曜(祝日の場合は開館、翌日休館)、12月30日~1月2日、メンテナンス期間
入場料:1,030円(15歳以下無料)
公式サイト





■ベネッセハウス ミュージアム
~美術館、ホテル、レストランが一体に
ベネッセハウス ミュージアムundefinedundefined写真:池田ただし

ベネッセハウス ミュージアム 写真:池田ただし

ベネッセハウスは「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに、美術館とホテルが一体となった複合施設。美術館の機能をもつミュージアムでは、屋内の収蔵作品、屋外にはサイトスペシフィック・ワーク(アーティストが、その場所のためだけに制作した作品)などが設置され、自然のなかを散策しながら芸術を鑑賞することができます。
 
草間彌生 南瓜 写真:安斎重男

草間彌生 南瓜 写真:安斎重男

先ほど紹介した草間彌生の『赤かぼちゃ』と並び、直島のシンボルになっている黄色い「かぼちゃ」をはじめ、浜辺や林に置かれている作品群、夕暮れ時に見ると本当に美しいですよ!
ベネッセハウス パークundefined撮影: 渡邉修

ベネッセハウス パーク 撮影: 渡邉修
パークのパブリックスペースには杉本博司の作品空間『光の棺』など、宿泊客のみが鑑賞できる作品が多数ならぶ。

また、それぞれミュージアム、オーバル、パーク、ビーチと命名されたベネッセハウスには、宿泊者だけが鑑賞できる作品やアートスペースも。直島で一晩を過ごす人々だけが見ることができる、とっておきの逸品。瀬戸内海の朝日、夕陽、そして夜空とともにゆったりと鑑賞したいところです。

<DATA>
ベネッセハウス ミュージアム
住所:香川県香川郡直島町琴弾地
TEL:087-892-3223
開館時間:8:00~21:00
休館日:無休
入場料:1,030円(15歳以下は無料)
公式サイト

小さな島のなかに3つの美術館を持つ直島。しかし、直島のアートスポットは美術館だけではないんです。次のページでは、直島にある美術館以外のアートスポットをお知らせします。

次ページでは、直島の街中アートを紹介します。
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