和室が薄暗い3つの理由、小さなリフォームの工夫で明るくひろびろと
和室は落ち着くが、薄暗いイメージになりがち。
和室は本来、自然素材に囲まれた心落ち着く癒しの空間です。小さなリフォームの工夫で、明るく気持ちのいい部屋にしましょう。
和室が薄暗く感じられる主な理由は次の3つです。これらは和室ならではの特性で、部屋を暗くする大きな原因となっています。
- 障子が部屋を暗くしている
- 反射率が低い仕上げになっている
- 窓の位置が低く光が届かない
この3つをシッカリ押さえてリフォームすれば、明るい気持ちのいい和室に生まれ変わります。まずは手軽にできる障子のリフォームからご紹介します。
障子をスクリーンに交換リフォームすれば、和室は明るくなる
和室の窓には障子が付いています。和紙を通した光は柔らかく部屋に拡散し、落ち着いた雰囲気になりますが、少し暗さを感じます。また引き違いの障子は、開けても開口するのは窓の面積の半分だけ。残りの半分は、2本の障子でふさがれている状態になります。これが暗くしているひとつめの理由です。和紙風のシースルーのプリーツスクリーンなら、上下の開閉で全開口できる。間仕切り戸に襖の代わりに取り付ければ、リゾートのような空間に(TOSO)
そこで思い切って障子を外して、そこに全開口できるスクリーンやブラインド、カーテンを取り付ければ、窓いっぱいの太陽光を取り込むことができるようになります。これなら、障子を外した後、今ある枠に取り付けるだけなので、リフォームはとても簡単。DIYでも可能です。
スクリーンには、さりげなく目隠ししながら光を取りこむシースルータイプ、寒さ暑さを防ぐ断熱タイプなど、機能が付加されたタイプがありますので、部屋の使い方に合わせて選びましょう。ブラインドなら閉めたまま、羽を動かして室内に取りこむ光の量を調節できます。障子のプチリフォームで、和室を明るくリフレッシュさせましょう。
反射率が高い天井や壁にリフォームすれば、和室は明るくなる
部屋の明るさは、天井や壁の反射率によっても変わります。反射率とは簡単に言えば太陽光を跳ね返す割合のこと。反射率が高い材料を使うと、部屋が明るくなります。反射率が高い材料は、タイルやビニールクロス、ポリ板など、基本的には白くツルツルとした表面を持つものです。和室の壁は繊維壁や土壁など、反射率が低い自然素材が使われていることが多く、それが暗さの原因になっています。また天井に多い杉板張りも、更に部屋を暗く感じさせています。
天井に白いビニールクロスを張った和空間。ぐんと明るい雰囲気に(サンゲツ)
そこで和室のリフォームの際は、壁や天井に反射率が高い材料を選んで部屋を明るくしましょう。おすすめは白い漆喰仕上げです。反射率が高い自然素材なので、雰囲気を損ねることなく部屋全体を明るくしてくれます。
ビニールクロス張りは、拭き掃除がしやすいのでお手入れが楽になるのが魅力です。和紙調や漆喰調、織物調のデザインを選べば、和空間のイメージを損なわずに明るい空間になります。壁や天井の仕上げを変えるリフォームは、下地からの工事が必要になることがありますので、まずはリフォーム会社に相談してみましょう。
窓を高くするリフォームで、和室を明るくする
和室が薄暗く感じられる最後の理由は、洋室との生活スタイルの違いから生まれる、しつらえの違いです。床に座る「床座」の和室は、「椅子座」スタイルの洋室に比べて、天井をはじめ、飾り棚や窓の高さも、低めに作られています。部屋の明るさと窓の高さには深い関係があり、高い位置に取り付けられた窓は、部屋の奥まで光が差し込むので空間全体が明るくなります。しかし低い位置にある窓は、光が奥まで届かないので、暗くなってしまうのです。
和室は床座の暮らしにあわせたしつらえになっているので、窓の位置も低め(モデルハウスに学ぶリフォーム!和モダンの作り方より)
そこでリフォームの際は、窓の位置を高くすると部屋が明るくなります。これは和室だけでなく他の部屋でも同じです。大きな窓が取れない部屋や北側の部屋に天窓を取り付けると、明るくすることができるのも、これと同じ原理です。今ある窓の上にランマを開口する方法も効果があります。
地窓の上にランマ窓を取り付けた和室。高い位置にある窓は部屋を明るくする効果が高い。
和室が薄暗い3つの理由をシッカリ押さえてリフォームすれば、明るく気持ちのいい空間になります。部屋は使わないでいると、傷みが早く進み、カビの温床になってしまうこともあります。何より納戸化しておくのはもったいないこと!明るく気持ちのいい空間にして、使える和室にしましょう。
和室をもっとおしゃれに使いこなすために、素敵な和モダンに変身させる方法は下記で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧下さい。
また要望が多い、畳をフローリングにするポイントは下記でご紹介しています。
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