「若いうちは不要!?」公的年金と若い世代の関係をご案内します
「年金」という言葉を聞くと、「高齢者の制度」とか「老後のセイフティネット」といったイメージを持つ人が多いかもしれません。「年金=老齢年金」と思う人も多いので、20代・30代の若い世代の人には、自分にはまだまだ関係のない制度だと感じている人も多いでしょう。今回は、20代・30代の若い世代にとって年金制度がどんなセイフティネットになりうるのか、老齢年金以外の年金をご案内します。
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公的年金の保険料納付状況
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公的年金の保険料、納付しないその理由は?
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公的年金、本当に必要ない?
公的年金の保険料納付状況
日本の公的年金制度は、原則20歳上の人が全員年金制度に加入して保険料を納付する「国民皆年金」の制度です。平成21年度の公的年金の加入対象者は6,887万人で、そのうち約95%が保険料を納付(※)しています(厚生労働省発表より)。
※保険料免除及び納付猶予利用者を含みます。
(厚生労働省「平成21年度における国民年金保険料の納付状況と今後の取組等について」より)
国民年金の加入者のうち、自分で保険料の全額を負担・納付する第1号被保険者は加入対象者のうち321万人が未納者となっています。公的年金の加入対象者全体の約5%程度、第1号被保険者の中でも約16%程度の割合ですが、この統計上、保険料の「未納者」に分類されているのは、平成20年4月~平成22年3月までの24ヵ月分の保険料をまったく納付していない人のみです。過去2年間で1ヵ月分でも保険料を納付したり、免除を受けたりした月があれば未納者には含まれません。一方、実際に平成21年度1年間でどのくらいの保険料が納付されたかを示す保険料納付率(=保険料納付月数÷保険料納付対象月数)は約60.0%で、現在の年金制度が導入された昭和61年度以来もっとも低い値になっています。
保険料の納付率が低下した原因として、厚生労働省では第1号被保険者の年齢構成の変化と就業状況をあげています。平成21年度の第1号被保険者の年齢階級は以下のようになっています。
(厚生労働省「平成21年度における国民年金保険料の納付状況と今後の取組等について」より)
第1号被保険者の平均年齢は39.6歳で平成20年度の36.7歳とほぼ同じ年齢ですが、年齢階層ごとの被保険者割合では平成21年度はいわゆる「団塊の世代」が60歳代に到達したことで被保険者の資格を喪失し、年齢構成が若い世代にシフトしています。この年齢構成の変化が、保険料納付率の低下に影響したと厚生労働省では推計しています。年齢階層ごとの保険料納付率は以下の通りなので、34歳以下の若い年代で保険料納付率が低くなっています。
(厚生労働省「平成21年度における国民年金保険料の納付状況と今後の取組等について」より)