産後の基礎知識/産後の生活

出産後の入院生活の流れ

出産後の入院期問は病産院によって、または帝王切開など出産の方法によって異なりますが、平均4~7日です。この期間は、お母さんが体を休めながら育児に慣れていくための大切な時間です。出産で疲れた体をよく癒やし、体調を整えてゆきましょう。

竹内 正人

執筆者:竹内 正人

妊娠・出産ガイド

赤ちゃんのお世話の仕方に慣れていきましょう

出産後の入院期問は病産院によって、または帝王切開など出産の方法によって異なりますが、平均4~7日です。この期間は、お母さんが体を休めながら育児に慣れていくための大切な時間です。出産で疲れた体をよく癒やし、体調を整えてゆきましょう。

分娩直後からの母子同室も一般的に

入院

体を休めながら育児に慣れていきましょう

通常は、出産後2時間、分娩室で異常がないか観察したあと部屋へ戻ります。母子同室でも、以前は、出産当日(0日目)は赤ちゃんを新生児室に預けるのが一般的でしたが、最近は、特に経過が問題なければ、分娩直後からの同室が可能になってきました。

特に、母乳保育を推進している施設ほど、分娩直後からの母子同室を薦めています。それは、おっぱいが出ない時期から、赤ちゃんにお乳を含ませる早期授乳と、3時間後毎など、決められた時間ごとにする規則授乳でなく、時間にこだわらず、赤ちゃんが欲しくなったらあげる自律授乳の方が、母乳育児を確立するには大切であることがわかってきたからです。

母子同室では、スタッフに助けてもらいながら、赤ちゃんが泣いたら(泣きそうになったら)授乳をしたり、オムツを替えたりしながら赤ちゃんとの時間に慣れてゆくようにしましょう。

わからないことがあればその場で聞く

母子別室の場合、昼間だけ赤ちゃんと一緒に過ごし、おむつの交換や授乳をします。夜間は新生児室で預かってもらい、授乳時間になったら授乳室に行き赤ちゃんにおっぱいをあげるという施設が多いと思います。ただ、かつてのように、3時間ごとの規律授乳という規則はなくなってきています。赤ちゃんと離れるのは、寂しいと思いますが、お母さんがゆっくり体を休ませることができるというメリットがあります。

同室でも、別室でも、多くの場合、出産の翌日から助産師による授乳やもく浴、オムツ替えなどの指導があります。わからないことや不安なことがあったらその場で聞くようにしてゆきしょう。

同じ時期に出産したお母さんに声をかけよう

出産後は、これからの育児に対する不安などから、ナーバスになってしまうことがあります。そんなときは、同じ時期に出産したお母さんと友達になれればいいと思います。最近の産院は個室が主流となり、また大部屋でもカーテンを閉め切っていることが多いようですが、食堂などで、勇気をもって声をかけてみて欲しいです。自分が悩んでいるように相手も不安を抱えています。おしゃべりしたり、他のお母さんの赤ちゃんに対する接し方を見ることで、入院生活が全く違ってくるはずです。

必要な手続きを確認しよう

赤ちゃんとママは退院前に健診を受け、異常がなければ一緒に退院となります。その際には、1ヶ月健診の予約を済ませておき、出生届や出産一時金などの手続きに必要な書類を受け取っておきましよう。
 

お母さんと赤ちゃんの入院生活の流れ(経腟分娩)

施設によって違いますが、ここでは一般的なスケジュールを紹介します。

■出産当日
母体の検査
・子宮の収縮
・出血量・悪露の性状と出具合
・腟、外陰(会陰切開があれば創部)の状態
・血圧、脈拍数、体温 

初回授乳

出産後1時間以内に分娩台で初回授乳を行う施設が増えてきている

赤ちゃんの診察
出生後24時間は子宮外環境に適応してゆく過程なのでしっかり観察します

K2シロップ投与(赤ちゃん)
ビタミンK欠乏症による出血傾向を防ぐため

帰室
分娩室で2時間観察し異常がなければ産室へ、分娩後2時間はカンガルーケアといってお母さんが直接肌と肌で赤ちゃんと触れ合いながら過ごす施設もある

離床・初回歩行
車椅子で帰室し、経過が良ければ、出産後5~8時間後に初回歩行となるのが一般的。ただし、血栓症予防目的から、早期の初回歩行が勧められるようになり、2時間後の帰室時に歩行する施設もある

産褥体操
血栓防止、悪露排出の促進、血流促進による疲労回復などの目的から、ベッド上で足の屈伸など軽度の体操を

■産後1日目
母体の検査(出産当日と同じ)

赤ちゃんの全身チェック(黄疸・体重・体温など)

シャワー
母体疲労などを考慮し、洗髪やシャワーは出産の翌日からが一般的。ただし、医学的には出産当日のシャワーも可能です

授乳・おむつ替え
体調によっては出産当日から可

■産後2日目~退院
母体の検査(出産当日と同じ)

赤ちゃんの全身チェック(黄疸・体重・体温など)

沐浴指導・沐浴実施
沐浴は、かつては産湯(初湯)として、出生後すぐに行われていたが、これは儀礼的な意味合いがあった。赤ちゃんの心拍や体温が安定する前に行うと、沐浴後に状態が悪くなることもあり、最近は、出生後から清拭といって、温かい乾いたタオルで児を拭き、産後数日たってから沐浴となる施設が多い。

授乳指導・おっぱいマッサージ
お母さんと赤ちゃんの栄養指導

調乳指導 ・退院指導など

尿検査・血液検査・体重測定

新生児マススクリーニング・聴力検査

K2シロップ投与(赤ちゃん)

入院中に2回投与

内診・退院診察
会陰切開をしていれば抜糸(溶ける糸で縫合した場合はありません)

退院準備
出生通知票や出産手当請求の書類などをもらう

退院

産後4~7日
通常分娩であれば、4~5日
希望があり、部屋が空いていれば延長もできる
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
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