体の異常ではないはずなのに……生理痛はなぜ起こる?
そもそも「痛み」は生体内の危険を知らせてくれるもので、それぞれの痛みには、通常は発生する理由があります。(明確になっていないものもあります。)では生理痛の場合はどうなのでしょうか?生理は、排卵とともに子宮内膜が厚くなり、受精(妊娠)が起こらなかった場合に、その子宮内膜が剥がれ落ちることで起こります。このときに、子宮内膜が厚くなったために少し大きくなった子宮が収縮することがあります。
生理痛は、このような子宮の収縮が過度に起こったり、冷えや下着などの締め付けによる血流の悪化、または、ストレスなどによるホルモンバランスの崩れなどで、引き起こされると考えられています。
早めの痛み止めが効果的な理由
痛みは、「痛みの物質」が作られることで感じます。この物質を「プロスタグランジン」といいます。手を切ったり、ぶつけたり、子宮が収縮したり、いろいろな理由で、痛みを伝えるこの物質が作られます。そして、これが痛みを感じる受容体にくっつき、「痛みの物質がくっついた!」という電気的信号が神経に伝わり、痛みを感じるのです。
痛み止めの薬は、この痛みの物質であるプロスタグランジンを作らせないようにして効果を発揮します。そのため、痛みの物質が作られる前に薬を飲まないと効き目はあまり得られず、プロスタグランジンが作られてからでは効果が弱くなってしまうのです。
毎月生理痛(月経痛)がある人は、早めに痛み止めを服用して、痛みに備えるようにしてくださいね。
痛さで頭がボーっとしたり、むくみが気になる場合は、痛み止めの成分と一緒にカフェインが入っている市販薬がお勧めです。
また、緊張から起こる頭痛などの痛みやイライラする場合には、興奮を抑える催眠鎮静成分(ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素)が入っている薬もあります。
ぜひ、薬剤師に相談してみてください。※参考記事:実は成分が違う!…生理痛の市販痛み止め(All About記事)
*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の薬局での会話をもとに構成したものです。相談が必要な方は、医師や薬剤師に実際にお聞きください。
【参考図書】
・堀美智子監修,医薬情報研究所/株式会社エス・アイ・シー『OTC薬販売の実践問題集』,株式会社じほう,2006,
【関連リンク先】
風邪薬の副作用(All About記事)
お薬の基礎知識Part19 自分でわかる副作用(All About記事)
お薬の基礎知識part17 お薬の捨て方(All About記事)