痛み止めの選び方がわからなければ、薬剤師に相談を

薬剤師

薬剤師に痛みの症状や希望を相談しましょう

Q:生理痛の痛み止めはたくさんありますが、どのように選んだら良いのでしょうか。

A:そうですね。たしかに薬局に行くと、いろんなメーカーの薬や、同じメーカーにしても名前がちょっと違う薬があったりと、本当にさまざまですよね。

友人が飲んでいるからとか、テレビでよく聞く名前だからといった判断ではなく、薬局の薬剤師に痛みの症状や経緯を良く相談して購入するようにしてください。その他、痛み止めについて疑問をお持ちの方は「つらい生理痛…痛み止めは体に悪い?」もあわせてご覧下さい。

痛み止めには非常にたくさんの種類がありますので、順を追ってご説明しましょう。市販の痛み止めの注意事項や生理痛の痛み止めの選び方、主成分について、薬剤師が詳しく解説します。

勘違いしやすい市販薬の効果と注意点

■胃やお腹の痛みに注意
市販の痛み止めは、下痢や便秘などのおなかの痛みや胃の痛みなど、内臓の痛みに効果はありません。頭痛や生理痛、歯や関節の痛みには効果があります(※プロスタグランジンという痛みの物質が関与して起こる平滑筋収縮の痛みに効果があるため)。

友人が、「胃が痛くてつらい」と市販の痛み止めを飲もうして、あわてて止めたことがあります。胃の痛みなどは、市販の痛み止めで逆に悪化してしまうことがありますので、ちゃんと胃に関係する薬を服用するようにしてください。

■痛風の場合はアスピリンに注意
痛風といって血中の尿酸の濃度が高くなることによって起こる足先などの抹消の痛みがあります。この痛みに関しても、市販薬でしのぐこともできますが、痛風の場合は、医療機関を受診し、ご自身にあった薬を服用するようにしてくださいね。

もし、市販の痛み止めを選ぶ場合は、イブプロフェンを主成分とする痛み止めを選択してください。特に、アスピリンが入っている市販薬を、痛風の痛みがひどくなっている発作時に服用すると、さらに悪化したり、痛みが長引くことがありますので、注意が必要です。


以上、まずは最初に知っておくべき注意事項をお話をさせていただきました。それでは本題の生理痛に関する市販薬のご紹介をします。

年齢別! 生理痛の痛み止めの選び方

■15歳以上の生理痛の痛み止め
生理痛の場合、大人(15歳以上)では、「イブプロフェン」が入っている薬を選ぶと良いでしょう。イブプロフェンという成分は、他の市販の痛み止めと比べて薬が子宮に移行しやすく、生理痛への効き目が期待できます。

また、第1類医薬品といって、薬剤師からの説明が必要な成分ですが「ロキソプロフェン」もお勧めです。代表的な商品名はロキソニンSになります。市販薬では一番鎮痛効果が高いと言われています。
また、イブプロフェン同様に、抗炎症効果もありますのでお勧めです。

その他、最近では「イブプロフェン」に加えて、子宮の過度な収縮を抑制する「ブチルスコポラミン臭化物」が配合されているエルペインコーワ(興和)もあります。ただ、便秘の方は腸の動きも抑制してしまう可能性があるので、 ブチルスコポラミン臭化物が入っていない物の方がいいでしょう。

■15歳未満の生理痛の痛み止め
市販のイブプロフェンが含まれる薬は、小児(15歳未満)の使用が認められておりませんので、15歳未満の方は「アセトアミノフェン」が含まれる薬を服薬すると良いでしょう。

※イブプロフェンは、医療機関で処方する場合は、小児の投与はできますが、市販薬では適応がありません。

むくみ、頭痛、いらいらに…症状別・生理痛の痛み止め

■むくみやボーっとする感じに……
生理の時に、むくみが気になったり、ボーっとした感じがつらい場合は、「カフェイン」入りの痛み止めもあります。カフェインの尿を出す作用(利尿作用)でむくみを抑えたり、眠気を抑える作用がありますので、少しすっきりすると思います。ただし、コーヒーやお茶、栄養ドリンクなど、色々な食品や医薬品にカフェインが含まれていることがありますので、過剰な摂取には気をつけるようにしてくださいね。

胃が弱い方は、カフェイン入りにすると胃液の分泌を促進してしまい、胃への影響が懸念されますので、カフェインのないものにしましょう。そして、アセトアミノフェンを主成分にしている薬、または「制酸剤」と呼ばれる胃酸を中和する成分(酸化マグネシウム、合成ヒドロタルサイト)が含まれるものを選ぶと良いでしょう。

■いらいらが原因の頭痛や肩こりに……

緊張して痛みが出る場合、例えばいらいらして起こる頭痛や肩の張りや緊張からくる頭痛などの痛みに対して、興奮を抑える「催眠鎮静成分(ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素)」が入っている薬もあります。

前述しましたが、痛みの具合や症状などを薬剤師に相談して選ぶようにしてください。ひどい痛みやいつもと違う痛み、痛み止めを飲んでもなかなかよくならない、薬を飲んでも4~5日以上痛みが続く場合など、おかしいなと思ったらすぐに医療機関を受診してくださいね。

最後に、「市販の痛み止めとその主成分」について解説します。

主な市販の痛み止め・主成分一覧

一言で生理痛向けの痛み止め薬といっても、さまざまなものがあります。以下で、主な市販の痛み止めと、それぞれの主成分をご紹介します。

■エスエス製薬
  • イブ  :イブプロフェン
  • イブA  :イブプロフェン+カフェイン+催眠鎮静成分
  • イブクイック頭痛薬:イブプロフェン+カフェイン+催眠鎮静成分+制酸剤

■ライオン

  • エキセドリンA/カプセル:アセトアミノフェン+アスピリン+カフェイン
  • バファリンA:アスピリン
  • バファリンエル:アセトアミノフェン+エテンザミド+カフェイン+催眠鎮痛成分
  • バファリンプラス:アセトアミノフェン+アスピリン+カフェイン+催眠鎮痛成分
  • 小児用バファリン:アセトアミノフェン

■内外薬品

  • ケロリン:アスピリン+カフェイン
  • ケロリンIBカプレット:イブプロフェン+カフェイン+催眠鎮痛成分
  • ケロリンチュアブル:アスピリン+アミノ酢酸

■藤沢薬品

  • サリドンA:エテンザミド+イソプロピルアンチピリン+カフェイン
  • サリドンエース:エテンザミド+アセトアミノフェン+カフェイン+催眠鎮痛成分

■武田薬品

  • タイレノールFD/FD小児用/細粒:アセトアミノフェン

■大正製薬

  • ナロンエース:イブプロフェン+エテンザミド+カフェイン+催眠鎮痛成分
  • ナロン錠/顆粒:アセトアミノフェン+エテンザミド+カフェイン+催眠鎮痛成分

■アラクス

  • ノーシン:アセトアミノフェン+エテンザミド+カフェイン
  • ノーシンピュア:イブプロフェン+カフェイン+催眠鎮痛成分
  • ノーシンホワイト錠/細粒:アセトアミノフェン+エテンザミド+カフェイン
  • ノーシンホワイトジュニア:アセトアミノフェン

※上記の薬の成分の補足

  • アスピリン(アセチルサリチル酸)は、15歳未満の小児には使用しないでください。小児の場合は、小児用の痛み止め、または、小児に適応のある市販薬を薬剤師に選んでもらってください。

    なお、アスピリンは、よく言われる“ピリン系”ではなく、市販薬の成分では、イソプロピルアンチピリンが該当します。イソプロピルアンチピリンは、高い熱に特に効果があり、同じピリン系であるアミノピリンよりピリン疹の発現は少ないという報告ですが、ピリン系のアレルギーがある人は、服用しないでください。
     
  • アセトアミノフェンは、小児の発熱や痛み、または胃腸の弱い方が選ぶと良いと思います。ただ、使用量や使用間隔をきちんと守るようにしましょう。多量に飲みすぎる熱が下がりすぎて、危険なことがあります。また、お酒を多量に飲む人や、肝臓の悪い方は、医師・薬剤師に相談して薬を選んでください。
     
  • エテンザミドは、アスピリンと同じような成分ですが、痛み止めや熱を下げる効果は比較的弱いので、他の成分の効果を助けるような目的でも配合されていることがあります。

    痛み止めは、一番身近でよく服用される市販薬だと思います。正しく、きちんと用量・用法を守って使用してください。なお、何かおかしいと思ったときには、すぐに服用を中止し、医療機関を受診してくださいね。

*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の薬局での会話をもとに構成したものです。相談が必要な方は、医師や薬剤師に実際にお聞きください。


【参考図書】
・堀美智子監修,医薬情報研究所/株式会社エス・アイ・シー『OTC薬販売の実践問題集』株式会社じほう,2006

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。