性感染症・STD/性器ヘルペス

性器ヘルペスの感染原因、その症状と薬

性器ヘルペスの感染報告数は、女性はクラミジアについで第2位、男性では第3位と高い数値です。症状が数週間で消えてしまうため、治ったように見えますが、ウイルスは消えませんので受診と薬の処方を受けましょう。

三上 彰貴子

執筆者:三上 彰貴子

薬剤師 / 薬ガイド

性感染症について?性器ヘルペス?

性器にかゆみや違和感、また発熱があったらすぐに病院に行きましょう
Q:彼が性器ヘルペスになってしまったようですが、どうしたらいいのでしょうか。うつる心配もありますか。

A:はい。お答えします。まず、彼のヘルペスが「うつりやすい状況」かどうかに関係してきます。
相手の性器(※)に、赤く疱疹状のものがあったり、疱疹が破れて水(湿潤液)のようなものがでていたら、感染してしまう可能性が高いです。この状態では、痛みがあることも多いのですぐに分かると思います。ですが、時々、赤い状態だけでは痛みがないこともありますので知らずに性行為に至ってしまい、感染してしまうこともあります。

また、ヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイルス)の感染能力は非常に高いので、病状が出ているところに触れた手や物で、性器や口、眼に触るということも避けてください(触った場合は、すぐに水で洗い流してください)。

※口と性器に感染するヘルペスは本来は違うものですが、最近は口にも性器ヘルペスが感染している人もいます(また、稀に乳房に感染する場合もあるようです)。

さらに、初めての感染がみられてから3ヶ月以内は、症状がなくてもうつる可能性があります(症状がなくても男性は陰茎や肛門から、女性は子宮頸部からヘルペスウイルスが排泄されることがあります)。

ヘルペスウイルスが休眠している状態ですとほとんどうつることはありませんが、必ず、泌尿器科、性病科、産婦人科、皮膚科等を受診して、医師から性器ヘルペスについてきちんと教えてもらってから、性行為を再開するようにしましょう。

その他、出産時に症状が出ていると母子感染する可能性もあります。妊娠、出産の際は、必ず「性器ヘルペスを発症したことがある」と医師に伝えるようにしましょう。


性器ヘルペスの症状

女性の場合は外陰部や膣のまわりに、また男性の場合は包皮、亀頭、陰茎体部に、まず痒みや違和感、ひりひりとした感じが表れます。次に、赤く腫れたりただれたりするような状態(潰瘍)や、水泡ができます。

この赤く腫れた状態や、水泡、また水泡が破れた状態になると、非常に痛みを感じます(人によって痛みの差があります)ので、感染に気づくでしょう。
その他、足の付け根(リンパ節)が痛くなったり、熱が出るなどの症状が出ることもあります。※肛門や直腸、尿道、子宮頸部(けいぶ)まで感染することもあるようです。

治ったと思っても病院へ!

このときに、おかしいなと思って病院にかかればヘルペスと分かるのですが、放置しておくと1週間から2週間ぐらいで症状が消えてしまいますので、治ったと勘違いしてしまいます。

しかし、ヘルペスウイルスが消えたわけではありません。ヘルペスウイルスは、後で紹介するウイルスの薬を飲んでも、症状が出るのを抑えたりしますが、残念ながら体内から消えることはありません。

治ったと思っても、一度受診して、医師から詳しい知識を教えてもらうようにしましょう(今後の生活で気をつけることなど)。

また、元気な状態ですと症状は出ませんが、疲れやストレスや病気、薬の副作用等によって免疫力が落ちたり、月経前など、体の抵抗力、免疫力が低くなったときに、逆にヘルペスウイルスが活発になって症状が出てきます。

>>次のページでは、性器ヘルペスの検査方法と薬、予防ついてご紹介しています!>>
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