眼底検査で失明を予防する |
そして、眼底検査を受ける際には、気になる疾患など、自分の検査の目的を明確にして、検査の前に担当医師にそれを伝えたり、適切な検査の手法の選択をすることが重要なポイントです。それにより、より的確な診断が得られるからです。
「眼底検査」は2つのケースがある
眼底の血管は外から直接見る事のできる唯一の血管です。眼球の奥の、網膜や脈絡膜、血管・視神経の状態を観察することで、目の病気のみならず、頭蓋内の病気、動脈硬化、糖尿病などによる血管の病変を診断することができます。そこで、ひとくちに「眼底検査」といっても、内科的なチェックやスクリーニングにポイントを置いている検査<ケース1>と、詳細に眼底の状態を調べる眼科的検査<ケース2>という2つのケースがあります。
そして、いわゆる眼底検査<ケース1>を受けて、問題が発見されなくても、糖尿病性網膜症や緑内障は大丈夫だと言い切れない理由をお話ししていきましょう。
<INDEX>
<ケース1>人間ドックや住民検診、老人健診で受ける眼底検査…P1
<ケース2>眼科医による眼底検査…P2
眼科医による眼底検査でチェックしたい病気…P3
<ケース1>
人間ドックや住民検診、老人健診で受ける眼底検査
このケースでは、眼底カメラで眼底を撮影する「眼底写真」での検査が多いようです。体内の血管の病変を観察し、下記のような疾患について観察するために有効ですが、画像をもとに判定する以上、検査の精密さという意味では限界があります。例えば、微小な症状は写りにくい、眼球内の濁りが検査を阻害する、網膜中央部の狭い範囲しか写らないなどの問題があり、眼底写真には問題がなくても、網膜全体に異常がないとは言い切れないのです。
この検査で分かる病気の状態は:
- 動脈硬化症(網膜動脈硬化症)
- 高血圧症
- 眼底出血
- 脳腫瘍
- 網膜の疾患(網膜剥離、糖尿病性網膜症、黄班部疾患) 視神経疾患
などがあげられます。
もし、眼科疾患が心配な場合は、眼科医による精密な眼底検査を改めて受けたほうがよいでしょう。
次のページは眼科医による眼底検査を詳しく>>