離婚/離婚の手続き

離婚の方法と成立までの流れ

離婚には「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」という3つのパターンがあります。「修復」という選択肢を加えれば4つ。それぞれ、どんな道のりを経て離婚が成立するのかをお話ししましょう。

岡野 あつこ

執筆者:岡野 あつこ

離婚ガイド

離婚を決意したときから離婚届が提出されるまでの道のりは、人によって違います。もちろん相手のあることですから、相手がどうとらえるかによっても変わってきます。

ふたりの気持ちがひとつになって結婚を選んだように、離婚もお互いの合意があれば可能なことです。でも、お互いの気持ちがあるからこそ、なかなか結論がでないことも多いのです。

離婚には3つの方法があります

離婚を決めるとき
離婚が成立するまでは、夫婦によって道のりが異なって当然。でも、幸せというゴールに向かう気持ちはすべての人に共通しています
「“別れること”を決めるだけなのに、離婚ってそんなに複雑なの?」と思う人もいるかもしれません。ところが、離婚は失うものも多く、結婚よりも大きなエネルギーが必要なんです。なぜなら、結婚生活を通して子どもの誕生や両家のかかわりなども含め、夫婦がふたりで築きあげてきたものが離婚によって失われてしまうからです。

ところで、離婚には大きく分けて3つの方法があります。大切なのは、実際に離婚を進めていくにあたり、どんな方法があってどのように進めていくのかをしっかり把握しておくこと。余計なトラブルを起こすことなく、有利に事を運ぶためにもこれらのことを知っておくことはとても大事なポイントになるでしょう。

「協議離婚」は、こうして成立

1.夫婦が離婚に合意して、条件的にも折り合いがつく
2.役所に離婚届を提出する
3.協議離婚の成立


いわゆる「離婚」の約90%が、この協議離婚のパターンです。将来のことや共有の財産などについて、ふたりの話し合いがうまくまとまれば、第三者を介すことなく離婚が成立します。ただし、口約束が守られず、あとでもめることが多いので、きちんと協議内容を文書にまとめるか公正証書としてつくっておくことが望ましいでしょう。

「調停離婚」は、こうして成立

1.どちらかが家庭裁判所に離婚調停を申し立てる
2.第1回調停期日の通知が双方に届く
3.1~2ヵ月に1度、調停委員による離婚の調整
4.お互いの合意のもと、調停離婚の成立


どちらかが離婚に同意しない場合や、同意はしても慰謝料などの条件で折り合わない場合は家庭裁判所に調停を申し立てることになります。調停委員を通して「離婚するか、しないか」「する場合の条件をどうするか」といったことが調整され、最終的に両方が合意することで離婚が成立します。


「裁判離婚」は、こうして成立

1.裁判所に提出する訴状の作成・提出
2.第1回口頭弁論期日の通知・勧告
3.口頭弁論(数回)
4.家裁が和解案を提示する
5.お互いが和解案に合意する
6.和解調書を作成する
7.裁判離婚の成立


まれに、調停が不成立だった場合には、裁判までもつれこむケースもあります。夫婦が原告と被告という立場に立って争うことを意味し、離婚の決定は当事者ではなく裁判官にゆだねる形となって離婚が成立します。実際は、判決が下る前に和解勧告に応じて和解するケースが多いのが特徴です。

「4つめの選択肢」も忘れずに視野に入れて!

修復したカップル
離婚成立までに修復という選択をする夫婦もいます。お互いの幸せはどこにあるのか、しっかり見つめ直すチャンスです
離婚をするつもりでいても、お互いが話し合ううちに気持ちが変わることもあります。たとえば、調停離婚を進めている途中に調停委員から相手のやり直したい気持ちを説明されたり、現実の厳しさを諭されたりして修復をすすめられることもあります。

もちろん、修復に合意できれば離婚に向けてのエネルギーの消費や経済面などでの離婚後の不安はなくなるでしょう。「4つめの選択肢」として、結婚生活を続けていく道を選ぶことになり、あらためてお互いが努力していくことになります。

年金や預金、株や家など財産分与として分けられるものもありますが、子どもの気持ちや家庭を守って築いてきたという労力、そして自負などは離婚によって分けたり取り戻したりはできません。

お互いの幸せを目指して納得できる結論を出すためにも、まずは「本当に離婚をする必要があるのか?」をしっかり見極めてから前に進みましょう。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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