雑貨/キッチン雑貨・テーブルウェア

簡素で美しい日本の工芸品 木ベラ(2ページ目)

使い勝手のよい木ベラを見つけました。奈良でひとつずつ丁寧に手作りされています。軽くて丈夫で味のある木ベラです。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド



軽くて丈夫、栗の木のヘラ

木ベラと一緒に、木杓子も買いました。
この木ベラは、奈良県吉野地方で、新子薫さんという方が一人で手作りしているそうです。 この地域では、昔から杓子作りが盛んで、多くの家で作られていたそうですが、 今では新子さんのところ一軒だけになってしまったのだそう。 ここで作られているものは、木ベラ以外に、杓子やスプーン、しゃもじや バターナイフなどもありました。手で削っているので、どれも素朴な風合いです。 山の中で自然に生え、100年は経っているという栗の木でできているそうです。 栗の木は多孔質なため、軽くて水にも強く、腐りにくい丈夫な素材。 昔は建物の土台や、鉄道の枕木などにも使われていたのだとか。 うーむ、かなりの酷使に耐えられる素材なのですねえ。 お部屋の中でぬくぬくと使われる、日常の生活道具にしてしまうのは、もったいないほどの素材です。

持ってみるとふわりと軽いので、ちょっと驚きます。炒め物をしても腕が疲れません。本当に軽いのです。 この軽さなら、おばあちゃんになっても使えます。実際のところ、おばあちゃんになるまで使える丈夫さも備えているそうで、 100年はもつ道具といわれています。 柔らかな木の素材なので、鍋やフライパンへのあたりもいいようです。 大事な鍋たちを痛める心配もありません。 先端のカーブの緩やかさや、持ったときの少々粗い感触なども、”道具”という感じがして気に入りました。 こざっぱりと素っ気ないフォルムにも好感が持てます。 こういう道具を作れる職人というのは本当に素晴らしいものです。


収納
アイアンのカゴに入れて、吊り下げています。


そして木の道具のよさは、自分に馴染み、少しずつ変化していくこと。 使い込むほどに、だんだんと色艶が濃くなり、深みを増していきます。半年くらいしか使っていないので、 まだそれほどではありませんが、ずっと使っていると大黒柱のように味わい深くなるんだそうです。楽しみだなあ。 自分の料理の思い出が、こっくりと染み込まれていくのですね。そりゃ、責任重大です。 おいしいものをたっぷりと染み込ませてあげなければ・・・。 まるまると栄養を採って、どんどんおいしくなっていくヘラにしてあげたいものです。


手作り木杓子の店*さらや
奈良県五條市大塔町惣谷224
TEL・FAX 07473‐6-0368
http://www.h3.dion.ne.jp/~saraya/




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