気がつくと、こればっかり使ってしまう、という道具があります。 別に高価なものでも、機能がフル装備されているわけでもなく、 でもなんとなく目に付いて、とっさに手に取りやすいもの。 何度も使うから、ちょっとへたれてて、もう買い換えた方がいいかなー と思いつつ、なんだか手放せないもの。 今回ご紹介するこの鍋は、まだ見つけて間もないけれど、既にそんな風格がありそうなのです。

アジアの小さなお鍋「アルミはんごう[炊具(すい・ぐー)]」

鍋の写真
おままごと道具みたいです。
とある仕事で、「お鍋で炊くご飯の炊き方を基本からやってみよう」という取材がありました。 鍋でご飯を炊くというと、つい羽釜や土鍋をイメージしてしまいますが、 先生によると「どんな鍋でも炊けるんですよ」とのこと。 ガラスの鍋だったり、鋳物の鍋だったり、いろいろ出てきた鍋の中に、 この小さなアルミ製鍋がちょこん。 えーっ、これでも炊いちゃうんですか?どう見てもおもちゃみたいな鍋なんですが・・・。 直径12cm、高さ10.5cmほどで、ペコペコなアルミでできていて、たぶんアジアのもの。 フタと側面にはややエキゾティックな模様がうっすらと入っており、中近東のような、ロシアのような、不思議な風情があります。

そういえば、以前タイを旅行した時、こんな感じの鍋がたくさん売られていたような。 古びた金物屋で、ブドウのようにずらりとヒモにぶら下がって、 あれが欲しいというと、ちょきんとヒモを切ってくれるのでした。 タイやベトナムにはアルミ製品が多く、うすべったくキッチュな感じで 「使いものになるのか?」と少々不安に思うのですが、なぜかそのへぼい質感には妙にそそられるのです。


分解
フタを開けるとこんな感じ。中ブタ付き。


中国語では炊飯器具のことを、炊具(ちゅい・じゅー)というそうで、 それを覚えやすく日本語読みにして、炊具(すい・ぐー)と名付けられました。 すとんと寸胴な鍋で、中ブタの付いているところがポイント。 上ブタのつまみはプラスチック製です。 よく見るとそれほどペコペコではなく、必要な厚みはあるようで、 力を入れて押してみてもしっかりしています。簡単に壊れる感じではありません。 でもやっぱりアルミなので、とっても軽いです。


次ページでは、実際にご飯を炊いてみました。