住みたい街 首都圏/子育て・環境重視の街選び

「なりたい家族」で選ぶ街(3ページ目)

どんな暮らしをしたいかは家族それぞれ。街に望む条件も千差万別でしょうが、自分たちの望む暮らしを明確にすれば、おのずとベストな街が見えてくるはず。ここでは暮らしに合わせた街選びをガイドします。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

自分たちに合った「環境の良さ」を
具体的に考えてみよう

きれいな街
将来的に活気のある、資産価値が落ちない街は、そこにしかない風景がある街とも言われる
街選びのもうひとつの大きな条件が環境です。言葉で言うと簡単ですが、これにはいろいろな意味があります。ごみごみしていない、静かな街なのか、公園や河川などがある自然環境の良い街なのか、子育てをバックアップしてくれる環境が整った街なのか……。子育てで言えば、医療費助成や手当てなどによるバックアップなのか、公教育を充実させることでのバックアップなのかなど、具体的な内容には差が出ます。ですから、まず、大事なことは自分たちが望んでいる環境がどのようなものなのか、優先順位をつけて考えてみましょう。以下、主な環境の条件ごとにその考え方、具体的な街を簡単にまとめてみましたので、ご参考に。

●清潔で安全、静かな街を
海浜幕張
計画的に開発された街の魅力は整然とした街並み。公園などもバランスよく配されている
例えば、ごみごみしていない、静かな街であれば、お勧めは計画的に作られたニュータウンや大規模マンション。例えば海浜幕張や新浦安、港北ニュータウンなどであれば、駅に近い場所でも、ぐちゃぐちゃした印象はありませんし、商業施設と住宅は離れて建設されますから、騒音や匂いなどに悩まされる可能性はありません。ニュータウンであれば、歩車分離、バリアフリーで子どもにも、高齢者にも優しい街づくりがなされています。最近であれば、つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス、東急田園都市線のたまブラーザや小田急線の新百合ヶ丘なども同様です。

安全な街であるかどうかは、自分の目でチェックする必要があります。犯罪に、災害に、水害にと、それぞれに対しての街の安全度をチェックする記事がありますので、詳細はそちらを参考になさってください。

【関連記事】
「危ない思いはイヤ!犯罪に負けない街を選ぼう」
「災害に強いのは燃えない、逃げられる街」
「東海地震発生の可能性は80%以上?地震に強い街に住みたい」
「水害増加中!災害に強い街を選ぼう」

●公園、河川を庭代わりにできる街を
世田谷公園
自転車圏に大規模な、徒歩圏に小規模な複数の公園があると気分が変わってベスト
自然環境のいい場所で、のびのび子育てというファミリーなら、公園や河川などが、週末気軽に行ける場所にあるかどうかを気にしましょう。自転車で出かけられる距離ならベスト。河川なら江戸川、荒川、多摩川沿い。南千住や浦安、王子、南武線沿線などでしょうか。公園は数が多いので、物件の資料などから、近隣にどのようなものがあるかを見て現地を確認。大きな公園は災害時の避難所になっていることも多いので、近くにあれば、防災面でも安心です。

どんな使い方ができるか、遊び方別に公園の特徴をまとめてあります。気になる方はそちらをご覧ください。

【関連記事】
「公園を庭代わりにできる街は?」

●子育て環境はネット、自治体の情報などでチェック
子育てしながら働くためには、年齢に応じて各種のバックアップが必要
以上の点は現地を訪れれば分かること。しかし、子育て環境となるとそうはいきません。たとえば、私立幼稚園保育料への助成が全国トップの江戸川区は年間補助額は最大で31万2000円ですが、第2位の港区16万8000円からしても倍近く。このように、自治体ごとに施策が異なりますから、希望する地域ごとに比較してみる必要があります。まず、子育て環境でチェックしたい点は、子どもの年齢や親の働き方などによっても異なりますが、
・出産前後のバックアップ施策 
・保育園入園の可能性
・乳幼児の医療費をいつまで助成してくれるか
・延長保育や病児・病後児保育など、子育てバックアップに熱心かどうか
などといったところ。過去の記事の中でも取り上げていますから、詳細はそちらをご覧ください。

【関連記事】
「子育てしやすい街の探し方(保育園編)」
「乳幼児医療費助成の手厚い街(東京編)」
「乳幼児医療費助成の手厚い街(神奈川・埼玉・千葉編)」
「子どもに安全な街選び(チェック法)」
「子どもに安全な街選び(23区編)」
「子どもに安全な街選び(東京市部編)」

●教育環境は公教育の充実、独自性で判断
小学校
自治体による教育格差を考えると、どの街がベストかは慎重に選択したいもの
教育環境では、公教育の充実ぶり、独自策などがチェックすべきポイント。例えば、教育水準を上げるための少人数学級を実施している自治体は東京都ではほとんどなく、神奈川県、埼玉県、千葉県では充実しています。逆にひとつのクラスを複数の教員で指導するために非常勤講師を採用している率は東京で高く、千代田区では小中学校とも1校あたり6人と日本一の高率になっています。

希望する自治体の教育環境をチェックするためのキーワードとしては
・少人数学級の実施と一学級あたりの人数
・小学校での英語、パソコン教育の実施度合い
・非常勤講師を利用しての学級運営
・小学校での土日の補習や学童保育の実施状況
などといったところ。最近では少子化対策として、都心を中心に、公教育に力を入れる自治体が増えており、そうしたニュースをチェックする必要もあります。例えば、品川区の小中一貫校制度はすっかり有名になりましたが、それ以外でも、世田谷区は日本語、大田区は理科に力をいれた教員配置、科目設定を行う予定ですし、目黒区では小学校一年生クラスに補助教員を派遣、スムーズに学校になれる導入教育を行っていくとしています。

いずれの方向がベストかは、家族によって異なるはずですから、自分たちの教育方針とあわせて検討するようにしてください。
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