通勤の辛さを知るためには
混雑度が指標に
混雑の快適な公共交通を目指して、国土交通省は毎年データを公表している |
通勤という意味での楽さを考えると、気になるのは電車の混雑度。これは%で表わされており、100%は座席あるいはつり革につくか、ドア付近の柱につかまれる状態で、他人と触れ合うことはありません。150%は楽に新聞を広げて読める状態で、この程度であれば、さほど苦痛を感じることは少ないはず。さらに180%になると折りたたんむなどして無理すれば新聞が読める状態にはなるものの、身動きしづらく、かなり窮屈な感じに。このくらいになると「痛勤」ともいってもよく、200%で体が触れ合い、圧迫感がある、無理をすれば週刊誌が読める、250%で電車が揺れるたびに体が斜めになり、身動きがとれない状態となります。以下、この基準に従って、通勤が楽な路線から順にご紹介しましょう。
首都圏でもっとも通勤が楽なのは
都営浅草線、混雑度は113%
路線が短いこと、途中にいくつものオフィス街があり、乗り降りが多いことなどから地下鉄各沿線は比較的混雑度が低い |
副都心線とつながることで東武東上線沿線の人気アップが予測されたが、結果的には減少方向に |
その他、150%以内で比較的空いている路線は
・京成本線大神宮下~京成船橋(143%)
・都営三田線西巣鴨~巣鴨(145%)
・JR青梅線西立川~立川(145%)
・東京メトロ南北線駒込~本駒込(149%)
・京浜急行本線戸部~横浜(150%)
・都営新宿線西大島~住吉(150%)
となっており、平成20年度に179%だった都営新宿線が大幅に混雑緩和をした点が目立ちます。
ただ、混雑緩和はうれしいことではあるものの、反対の側面もあります。2015年3月のダイヤ改正で青梅線では中央線と直通運転しない立川発着の列車で上下合わせて平日で7本、土曜休日には19本がそれぞれ減らされる予定となっています。同沿線には電機関連の工場が多く、それが乗降客のかなりの部分を占めてきましたが、昨今は工場の規模縮小、撤退が目立っており、産業構造の変化が利用者減につながったとみられており、通勤客減少は沿線全体の衰退にもつながりかねないのです。
東京メトロ、私鉄は
混雑度180%までの路線が一般的
京浜急行が乗り入れている都営浅草線、京成線のいずれも比較的混雑度は低め |
・東京メトロ丸の内線新大塚~茗荷谷(152%)
・東京メトロ日比谷線三ノ輪~入谷(153%)
・都営大江戸線中井~東中野(155%)
・西武新宿線下落合~高田馬場(155%)
・京成押上線京成曳舟~押上(155%)
・東京メトロ銀座線赤坂見附~溜池山王(156%)
などといったところです。
これより混雑度が高く、160%台になっているのが
・東京メトロ半蔵門線渋谷~表参道(161%)
・西武池袋線椎名町~池袋(161%)
・京王線下高井戸~明大前(162%)
・JR山手線内回り新大久保~新宿(163%)
・東京メトロ有楽町線東池袋~護国寺(167%)
・JR常磐線緩行亀有~綾瀬(167%)
・東急東横線祐天寺~中目黒(168%)
同じ東急沿線の田園都市線よりは混雑度は低いものの、それほど長くない路線にも関わらず、混雑度の高い東横線
続いて170%台となると、
・常磐線快速松戸~北千住(170%)
・JR東北線土呂~大宮(170%)
・JR京葉線葛西臨海公園~新木場(175%)
・千代田線町屋~西日暮里(177%)
・JR総武快速・横須賀線新小岩~錦糸町(177%)
などの沿線になってきます。だんだんにJRの路線が増えてくるのが分かります。