教育施策など、
それぞれに独自性ある市行政
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駅周辺で見かける違法駐車防止の看板。実際、新座市は駐輪場を作る、撤去を徹底するなど、本気で取り組み、違法駐輪は激減したという |
もうひとつ、住む人にぜひ、知っておいていただきたいのは、志木、新座の2市の市行政の独自性。いずれも、50代前半の市長が明快なリーダーシップを発揮しており、ホームページ上の政策マニフェストなども、お役所言葉ではない、分かりやすいものとなっていますから、一度、チェックされることをお勧めします。
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柳瀬川と新河岸川の合流点に位置する志木市役所 |
その上で、それぞれの市の目指すものについて簡単にご紹介しましょう。まずは志木市。目についたのは独自の
教育政策です。具体的な内容としては、小学校1年から3年までの少人数学級編成、中学校3年生に放課後の小集団・個別指導を実施する事業、中学校通学区選択の自由化など。これ以外にも不登校ゼロを目指す事業や小学校卒業までに全員が25m泳げるようにする基礎体力向上事業なども掲げられています。また、市民病院再生計画や財政非常事態特別対策プロジェクトなども、住む人にとって真剣に取り組んでもらいたい、状況が気になる施策でしょう。
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平林寺近くにある新座市役所。庁内では地元の地下水を販売しており、美味 |
新座市では
市長の政策マニフェストが分かりやすいところ。こちらも子育て、教育問題には積極的です。子育てでは、幼稚園の長時間預かり保育の拡大推進や、乳幼児医療費等の窓口払いの廃止などが挙げられていますし、教育ではなんと言っても、国際化教育特区による小中学校の英会話教育の推進が目玉。9年間一貫したカリキュラムでの英会話教育は他にないところでしょう。これ以外にも、小学校1年生への副担任・生活指導補佐員制度、学校教育農園の導入、学校トイレの計画的な改修促進など、きめ細やかな施策が挙げられています。
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手塚治虫氏の仕事場があったことから、新座の観光のシンボルとなっている、ご存知鉄腕アトム。住民として登録もされているそうだ |
また、新座は野火止用水や平林寺など、歴史と自然の財産を生かした観光都市づくりも構想しており、こうした施策が美しい街、住んでうれしい街につながる期待もあります。
バス便利用なら同程度の予算で
マンションも一戸建ても選択可能
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規模の大小を問わず、あちこちで建築現場を見かける |
最後に住宅について見ていきましょう。まずは新築マンション。ここ何年か、コンスタントに供給は続いており、現在もあちこちで建築現場を見かけます。住宅地として長らく開発されてきているため、駅に近い物件はたまに供給される程度で、主に駅から徒歩10分内外あるいはバス便利用が中心になっています。棟数としては、200戸を超える規模より、100戸以内が多くなっています。
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東口、南口にバスロータリーがあり、多方面へのバスが頻繁に運行されている |
価格は駅からの距離によって大きく異なり、駅から10分以内であれば、70m
2で3000万円台半ばから4000万円近くまで。これがバス便利用になると、同じ広さで3000万円以内ということもあります。
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まとまった敷地に、数棟から20棟内外の一戸建てが建設されている現場を多くみかけた |
3000万円台の予算であれば、マンションだけでなく、一戸建てを狙うこともできます。特にバス便利用の地域であれば、可能性は大。特に中古であれば、2500万円~で探すこともできます。
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駅から離れると、農地、マンション、アパート、一戸建てなどが混在する地域に |
賃貸はワンルームマンションで4万円~、2DKマンションで6万円~。分譲タイプであれば、もう少ししますが、それでも2LDKで10万円台~。この地域では、2DK、3DKの小規模な一戸建てなど、ちょっと変わった古い物件もあるので、一人暮らし、カップルなら、そんな広め、安めの賃貸を楽しむのも手かもしれません。
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子どものいる家庭なら、子ども関連の施策は必ずチェック、わが子にベストな場所を選びたいものだ |
同じ駅を最寄りとしながら、自治体が違うと、見た目も、行政もまったく違うだけに、どこに住むかは慎重に考えたいところ。といっても、どちらにもその街らしい魅力があることだけは確かです。
【シリーズバックナンバー】
「環境と利便性、バランスの良い街『北浦和』」
「東西で表情に違い、埼玉経済の中心『大宮』」