蒲田、変化目前の便利で実質本位の街(2ページ目)

物価の安さ、豊富な飲食店が
単身ビジネスマンに人気

周辺に点在するビジネスホテル。最近は無料の朝食、インターネット利用可が一般的

さて、足回りの便利さが商業施設、飲食店を呼び、生活の便利さをも兼ね備えるようになった蒲田。元々は京浜工業地帯の一画で、いまだにあちこちには小さな工場が点在していますが、今の顔は主に商業、ビジネスの街。象徴的なのはビジネスホテルが多いことで、駅周辺だけで20軒以上。これは東京に出張してくる単身ビジネスマンにうれしい諸条件を兼ね備えているという意味です。

飲食店の安さはダントツ。1,000円あればあれこれ選んで食べられる

実際、街を歩いてみると定食屋さんや中華料理店、寿司屋さんなど、手頃な価格の飲食店が多く、日用的に必要な品を買うのに便利なドラッグストア、衣料品店も多数。夜遅くまで開いている飲食店、飲み屋街などもあるので、忙しいビジネスマンでもしっかり食事が取れるというわけです。

雰囲気にこだわる人には不向き？
キーワードは実質本位

スナックやパブから風俗店まで、男性が遊ぶ場所には事欠かない

ただし、単身ビジネスマン向きの条件の一部は女性には楽しくないものも含まれます。それは風俗店。東口のメインストリートから少し入ったところには昼間からネオン煌く地域もあり、どうも、その印象が蒲田のイメージを悪くしています。また、パチンコ屋さんが多い地域でもあり、都内屈指の激戦区という人もいます。

ユザワヤでは品揃えに加え、店員さんの商品知識の豊富さも圧倒的

この、実利的には問題ないけれど、雰囲気、見た目にこだわらない土地柄はこの地発祥の企業を例に出すと分かりやすいように思います。例えば、日本最大級の手芸用品店・ユザワヤ。同社は蒲田駅西口からスタート、同地にはすべてが店舗ではないものの11号館までがありますし、首都圏のみならず福岡や神戸など13店舗を展開しています。もちろん品揃えは素晴らしいのですが、店内の古さ、飾り気のなさは驚くほど。実質が伴っているのだから、見た目はいいじゃないか、そんな雰囲気なのです。

派手に書かれた安さを強調する看板もこの街の名物のひとつ。あちこちで同種のものをみかける

あるいは法令を遵守しなかったと問題になった東横インもこの地が発祥。余分なものが一切ない客室に、他誌からの転載だけで作られた館内誌、女性支配人の活用など徹底したコスト削減で、ユーザーにとってウレシイ価格を実現し、人気を博してきました。スマートさよりも実質を追求する、この考え方は非常に「蒲田的」に思われます。

では、最後のページでは気になる住宅事情、今後の期待を見ていきましょう。