人気のある場所は
足回りも生活も便利。だから高い
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山手線、湘南新宿ライン、埼京線、東京メトロ日比谷線など複数路線が利用できる恵比寿も人気の街のひとつ |
西側エリアに立地するこうした、女性を中心に人気の街の共通点は、
・歴史のある、古くから開発された街で、商店街を始め、生活に便利
・一部を除いては都心へのアクセスも含め、複数路線が利用できるなど交通が便利ということ。つまり、人気が高い=便利=家賃や住宅価格が高い、となるわけです。
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遊びに行く街としては高い人気の新宿だが、住む街としての認知度はいまひとつの感が否めない |
しかし、例外もあります。例えば街特集ではしばしば取り上げられるものの、住みたい街として挙げられることが少ない新宿。歌舞伎町などの雑然としたイメージがマイナスに働くのでしょうか、遊びに行く場としての人気はあっても住む場としては評価されにくいようなのです。
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さまざまな風景、建物、自然が渾然一体となって多様さが横浜の魅力のひとつ |
また、もうひとつ、人気のある街に共通するのは、そこにしかないモノ、風景、雰囲気があるということ。例えば横浜と言われたとき、あなたはどのような風景をイメージしますか? 中華街、ランドマークタワー、港の見える丘公園、山下公園……など人によってその絵柄は違うとしても、明確にどこかをイメージできるはずです。ところが、東急東横線で横浜のすぐ近く、反町あるいは東白楽、白楽と言われたときに、その街の風景を思い浮かべられる人は東京に住んでいてもそう多くはないはず。それどころか、その街がどこにあるかをぱっと言える人もそう多くはないでしょう。人は自分が知っていて、良いイメージを持っているところに憧れるものなのです。
余談ですが、首都圏は初めてというファミリーに住んでみたい街を聞いてみると、最初に挙がるのは浦安なのだとか。これは子どもたちを中心に絶大な人気を誇る某テーマパークがあるから。住宅事情よりイメージが先行するというわけです。
各沿線で見ても法則は同じ、
急行停車駅、複数路線利用可能駅は高い
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ここのところ、全国区になりつつなる中目黒。再開発、副都心線との接続などより便利になる将来を見越して住宅の価格も上昇している |
「便利=家賃や住宅価格が高い」のルールは各沿線にも当てはまります。都心に近い駅ほど高く、急行停車駅や他線との乗換駅などほど高いのです。例えば、東急東横線。地下鉄日比谷線も使える急行停車駅中目黒駅のワンルームマンションは13万円以上しますが、お隣の各駅停車しか止まらない祐天寺駅は9万円前後。さらにその隣の急行停車駅学芸大学駅は12万円前後からとなり、祐天寺駅より一駅都心からは離れるものの、便利さが上なので高くなるといった具合です。
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荒川を挟んで東京都と接する川口。駅前にはデパート、少し離れて大型商業施設などが並び、賑やかだ |
また、各沿線で見ていくと、都県境でも価格が変わります。例えば東急田園都市の人気駅で急行停車駅の二子玉川と、多摩川を挟んだ対岸、川崎市にある同じく急行停車駅溝の口では2DKマンションの相場が3万円違います。同様に荒川を挟んだ京浜東北線の赤羽と川口でも1万円以上。厳然とした価格差があります。
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多摩川、荒川、隅田川など川を挟むと住宅相場が変わることが多い |
これもまた、便利さとイメージによるもの。商業的な賑わいは二子玉川、溝の口も赤羽、川口もそれほど差がないように見えますが、電車利用ではなく、車利用で考えた場合には橋を渡るほうが不利になります。道路は一方通行や袋小路に入り込まない限り続いていますが、橋がある場合にはその箇所でしか続いていません。その分、遠回りする必要があったり、混雑を避ける手立てがなかったりする、その不便さがマイナスイメージになるのです。
最後に自分にとっての住みやすさはどうなのでしょう。