住みたい街 首都圏/通勤・買い物に便利な街

バス便物件の「住みやすさ」、ホントのところ(3ページ目)

便利さが売りのマンションでも、中には最寄り駅から現地までが遠く、バス便利用の物件が少なからずあります。交通の利便性では劣るものの、価格や環境など、◎な点もあるバス便物件のホントのところは?

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

住居専用の地域が多く、
環境の良さも魅力のひとつ

飲食店街
大人だけの暮らしなら、繁華な飲食店も好ましいが、子どもにとっての環境で考えると疑問視する人も
都市計画法では場所ごとに何を建てて良いか、悪いかが用途地域として決められています。駅周辺で大型商業施設や商店街などがある地域は商業地域や近隣商業地域で、こうした場所では住宅の隣にカラオケボックスやパチンコ屋さんなどが建つ可能性があります。大きな空き地があったとしたらそこにタワーマンションが建って、眺望や日照を遮ることもあるかもしれません。緑がないというだけでなく、騒音や悪臭その他に悩まされないとも限らないのです。

緑の多い環境
環境の良さと利便性は相容れないことが多い
この用途地域は駅や繁華街から離れるにつれ、制限が厳しくなる傾向にあります。ですから、大半のバス便利用エリアは住居専用の地域。こうした地域では住環境を損ねるような施設は建設できません。一番制限の厳しい一種低層住居専用地域ではコンビニすら建てられないのですから、周辺に騒音や悪臭の源になるような施設が新しく建てられる可能性は極めて低いのです。もちろん、駅近くなどに比べると、畑や山林なども含め、緑が多いのは当然でしょう。ただ、その分、近くにコンビニがない不便さ、畑からの砂埃などのデメリットも想定されますから、一長一短です。

新しく開発された地域なら
将来性も考えてみる

工事現場
購入の場合、10年後、20年後も考えて街を選びたいもの
さて、足回りや生活面の便利さ、価格、環境に加え、もうひとつ、忘れずに考えておきたいのが将来性。10年後、20年後に少なくとも今以上に不便になる可能性がないかという点です。

工事現場
一気に人気が高まる街は同時にまた一気に忘れされる可能性のある街でもあるのだ
ここで冒頭に挙げた分類が重要になってきます。すでに開発されているエリアの場合、人気が定着しているため、住む人、住みたい人が急に減ることはありません。しかし、新しく開発されたエリアの場合、開発が進んでいて、イメージが上り調子の時にはいいものの、他に新しい開発が話題になると忘れられてしまうことも。特に物件単体で開発された場合には危険です。そうなったとき、元々バス路線のあったところならいざ知らず、物件だけの専用バスだとしたら、いつまで運行されるか。電鉄会社が開発、自社系列のバスを走らせているところなら、沿線の価格維持のため、電鉄会社ががんばってくれるでしょうが、そうでない開発は危険もありそうです。

こうしてみると、他の物件や人生同様、バス便物件にもプラスとマイナスがあります。その両方を考えた上で、さて、どうするか。選択はあなた次第です。
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