認知症/認知症予防・食生活・運動・脳トレ

認知症を予防する運動習慣

認知症予防に役立つ、上手な運動習慣のポイントをご紹介します。

菅原 道仁

執筆者:菅原 道仁

医師 / 家庭の医学ガイド

一日30分以上の運動が大切

週3回以上の定期的な運動が認知症を予防します。

週3回以上の定期的な運動が認知症を予防します。

車やエレベーター、科学技術の発展により便利な世の中になりました。しかし、その恩恵を受けた結果、私たち現代人は40年前に比べて身体活動量が40%以下に落ち、深刻な運動不足となっています。

週一回まとめて長時間の運動をするよりも、30分くらいの短時間でいいので、毎日、身体を動かしましょう(*6)。

また、物忘れを自覚している人に6ヶ月間の運動を行うと認知機能が改善しますので、今からでも遅くありません。明日からとは言わず、今日からでもカラダを動かしましょう。(*7)。

アメリカのメイヨークリニック・アルツハイマー病研究センター長のロナルド・ピーターセン先生は、「規則的な運動は、薬、知的活動、サプリメント、ダイエットより、現在、私たちが知っているアルツハイマー病の予防の最善の方法らしい」といっているのをお忘れなく。
*6)Exercise is associated with reduced risk for incident dementia among persons 65 years of age and older.: Ann Intern Med. 2006 Jan 17;144(2):73-81.
*7)Effect of physical activity on cognitive function in older adults at risk for Alzheimer disease: a randomized trial.: JAMA. 2008 Sep 3;300(9):1027-37.

日常生活にうまく運動を組み込むのがポイント

みなさんは仕事や子育てにおわれて、運動をする時間なんてなかなか取れないのが現実ですよね。しかも、仕事に疲れて、家に帰ってから運動なんて、普通はできません。

そこで、こんな発想をしてみたらどうでしょう。

運動をする時間を生活の中につくるのではなく、便利な日常生活をわざわざ不便な生活にして、むりやりカラダを動かすようにするのです。

たとえば、
  • 近所のスーパーに行くのではなく、ちょっと遠い特売をしているスーパーに行く
  • バス停を一つ手前で降りて、バス代も節約してしまいましょう
  • エレベーター、エスカレーターはぐっと我慢する
  • テレビのリモコンでチャンネルを変えるのではなく、テレビまで歩いてチャンネルを変えましょう
  • 万歩計で歩いた距離を記録してみましょう。目標は一日8000歩以上
  • いつもの散歩道ではなく、毎日変えてみましょう。新たな発見が脳を刺激します
そして、皮下脂肪と認知症の関係も明らかになっていますので、適度な運動による肥満予防対策は健康のためにも積極的に取り入れていきましょう。
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